ご挨拶

アジア諸国を代表し、この4th World Day for Organ Donation and Transplantationにご参加の世界の皆様を歓迎します。
まずはじめに世界を通じて臓器提供と移植を推進することにご尽力されているWHO、およびFairtransplant財団に敬意を表するとともに、深甚なる感謝の意を表します。

臓器移植技術の進歩によって多くの人々の生命が救われています。しかしその結果、臓器提供数の不足が世界の全ての国々の深刻な問題となっています。
特に脳死臓器提供を推進することが重要ですが、そのためには臓器移植の医療に携わる人々だけではなく、一般市民および行政機関が主役となって活動する必要があります。

世界共通の原則は「自国での死体(脳死及び心停止)臓器移植を増やすこと」です。

この目標を達成するため、世界中の国々で様々な立場の人達が努力をしています。

世界保健機関(WHO)もその重要性を強く認識し、様々な活動を行っています。その多彩な活動の中で、WHOが設立に大きく貢献し、crucial partnerとして一体化した活動を行っているのがFairtransplant財団です。World Day for Organ Donation and TransplantationはFairtransplant財団が主催して行われる国際会議です。第1回目は2005年にヨーロッパ諸国を代表してスイスのジュネーブで開催されました。第2回目は2006年に中南米諸国を代表してアルゼンチンのブエノスアイレスで、第3回目は2007年に中東諸国を代表してクエートで開催されました。

今回の4th World Day for Organ Donation and Transplantationはアジア各国を代表して日本で開催されます。この国際会議は、移植医療従事者だけでなく各国の行政機関が参加して行われるものであり、日本移植学会・厚生労働省・WHOが共催して開催されます。

午前中のシンポジウムでは、「アジアの移植事情」というタイトルで、中国、韓国、タイ、ベトナムそして日本の代表が発表します。それぞれの国における臓器移植を取り巻く状況・問題点・脳死臓器移植を自国で自給自足するためにどのような活動を行っているか? などが紹介されます。

午後のプログラムでは、日本における臓器提供推進のための活動が紹介されます。また日本各地から参加される方々のために、欧米で実際に運用されている臓器斡旋システム、臓器提供施設で働く医療従事者への教育、法的環境、の解説が行われます。

臓器提供数の不足は世界共通の大きな問題ですが、日本の人口あたりの臓器提供数はヨーロッパ平均の50分の1(高原先生の挨拶文では1/100となっていますが)にも達しません。

今回の4th World Day for Organ Donation and Transplantationが実り多いものとなり、これを契機として日本とアジアの臓器提供推進活動がさらに活性化され、一人でも多くの移植を待ち望む人々の生命が救われることを願います。

日本移植学会 理事長
寺岡 慧
(東京女子医科大学腎臓外科・先端生命医科学研究所)