会長挨拶

第62回日本透析医学会学術集会・総会
会長 中元 秀友(埼玉医科大学副院長、総合診療内科教授)

第62回日本透析医学会学術集会・総会は平成29年6月16日(金曜日)より6月18日(日曜日)にかけて、横浜みなとみらいのパシフィコ横浜において開催されます。

日本透析医学会は学会員数17,000名(個人会員、施設会員を含む)を誇る本邦でも有数の大きな学会であり、日本透析医学会学術集会・総会は約20,000名の日本における透析療法にかかわる医療関係者が一堂に会する学術集会として知られています。登録演題数も平成29年4月14日現在一般演題、指定演題を含めて3,600演題を超えるご応募を頂いております。日本透析医学会学術集会・総会は、毎年多くの参加者のもと、熱い議論が交わされています。このような本邦でも有数の学会を私のような若輩が主催できる事、身に余る光栄な事と感じています。

末期腎不全患者の延命と社会復帰を目的とした透析療法が広く行われるようになり、すでに40年以上が経過しています。多くの先人達のご努力により、本邦の透析療法は大きく進歩して来ました。その結果、日本は現在世界一の透析大国となっています。多くの患者さんが透析をしながら、社会の一線で活躍されています。本邦はどの国よりも透析患者の予後の良い国として知られています。しかしながら、日本の透析療法が幾つかの重要な問題に直面し、大きな変革の時期に来ている事も事実だと思います。それは高齢者の増加に伴い、透析医療費が増大している事、しかしながら年間の透析患者数の増加率は鈍くなっている事、さらに終末期医療の議論等です。

今回第62回日本透析医学会学術集会・総会の会長に選任され、テーマを「変革期に来た透析医療ー明るい未来を築くためにー」とさせて頂きました。私としてはこの学術集会がこれらの問題点を考え、そのような中から明るい未来を目指す機会になる事を願って企画したいと考えています。皆様のご意見を基に、未来に繫がる学術集会になるように、特別講演、教育講演、シンポジウム、さらにワークショップ等を企画したいと思っています。

また、新たな専門医制度が2017年から開始される事になっていますが、未だその方向性が見えて来ません。特定(行為のできる)看護師や認定看護師のあり方も今後議論になって来る事と思います。また臨床工学技士、薬剤師や栄養士の資格のあり方も検討すべき課題と思われます。このような資格制度のあり方、日本透析医学会の方向性等も皆様で議論できれば、と考えています。

これまでに北関東が中心となり透析医学会を企画した事はありません。今回は初めての北関東の埼玉医科大学が主催する透析医学会学術集会・総会となります。今回は埼玉医科大学を中心に、北関東が一つになり第62回日本透析医学会学術集会・総会を企画したいと考えています。北関東関連の催し物等も開催できればと考えています。皆様に来て良かった、と言って頂ける大会になるよう頑張って企画いたします。多くの皆様のご参加を期待しています。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。