会長挨拶

会長 香取幸夫

第27回日本気管食道科学会認定
気管食道科専門医大会
会長 香取幸夫
東北大学大学院医学系研究科
耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野



 このたび、平成29年(2017年)4月8日(土)、4月9日(日)の2日間にわたり、仙台市において第27回日本気管食道科学会認定気管食道専門医大会を開催させていただくことになりました。北海道・東北地方では平成19年に福島市で大森孝一会長が開催されて以来、10年ぶりの専門医大会になります。桑野博行理事長、久育男前理事長をはじめ役員、評議員、会員の先生方のご厚意により、この機会を賜りましたことに心から感謝を申し上げます。
 今回の専門医大会では、<気管食道科領域のQuality of Survival> を主題に掲げ、健康寿命を保つことを目的として、生命を救うとともに呼吸・嚥下・音声の機能回復に寄与する治療、ならびに気管食道科領域の悪性腫瘍の治療に重点を置いてプログラムを編成いたします。
 その中で、「低侵襲な機能改善手術」と「気管食道科領域の難治癌治療」に関する二つのシンポジウム、また「再発性気道乳頭腫」と「悪性腫瘍治療における支持療法」に関する二つのパネルディスカッションを両日に分けて企画し、気管食道科の難治疾患に対して様々な観点から機能を重視した治療を専門性の高い演者の方々から発表していただく予定です。高齢の患者が増加する社会的趨勢の中、治療による機能低下を回避するために有効な支持療法や低侵襲手術に関して意見交換を深めたく存じます。
 初日の4月8日(土)午後には二つの特別講演とイブニングセミナーを予定しています。新専門医制度に関する特別講演を日本専門医機構理事長の吉村博邦先生に、また困難症例の肺移植に挑戦する特別講演を東北大学呼吸器外科の岡田克典先生にお願いいたしました。国民にわかりやすい専門医制度の構築と専門医の質の担保、また難治性肺疾患の呼吸機能再建を目指す専門医の挑戦に関してそれぞれお話いただき、参加者の方々が気管食道科領域の専門医の未来を考える一助となればと思っております。その後のイブニングセミナーでは藤田保健衛生大学の内藤健晴先生から咳やのどの違和感の原因となる喉頭アレルギーに関して解説していただきます。
 二日目の4月9日(日)には学会賞記念講演、医療倫理と医療安全に関する二つの専門医共通講習に加え、二題の教育講演を予定しています。「睡眠呼吸障害管理」と「Umamiを活用した味覚障害・ドライマウスの治療」に関して、私ども東北大学でこの領域を専門とする産業医学分野の小川浩正先生ならびに口腔診断学分野の笹野高嗣先生に、参加される諸先生方の日常診療において有用な新しい知見を御紹介いただきます。
 会期となる4月の第2週は、暖冬の進む最近の仙台では桜の開花の時期にあたります。昨年増改築となった会場の仙台国際センターには新たに仙台市営地下鉄東西線がアクセスし、仙台駅や市中心部からの利便性が良くなっています。大会を契機に会員の皆さまに交友を深めていただき、学術プログラムとともに、東北の春をお楽しみいただけますと幸甚です。
 どうかたくさんの先生方のご参加をお待ちいたしております。