シンポジウム
がんの寛解率や治癒率は近年目覚ましい進歩を遂げている。一方で、化学療法や放射線治療による心血管合併症ががん患者の生命予後やQOLを左右する大きな要因となっており、循環器医はこれまで以上にがん診療に深く密接に関わることが求められている。このような状況の中、新しい臨床研究分野としての腫瘍循環器学(Onco-Cardiology)が世界中で大きな注目を集めている。しかし、この領域に関する臨床データは現状ではきわめて乏しく、分子病態も不明な点が多く残されている。本シンポジウムではOnco-Cardiologyにおける最先端の基礎研究や疫学・臨床研究、さらには医療現場での取り組みについて紹介していただく。さらに、国内外の現状と課題を整理し、がん患者とがんサバイバーを心血管合併症から守るために、私たち循環器医は何ができるか、また何をすべきかを討論したい。
