第83回 日本循環器学会学術集会

プレナリーセッション
動脈硬化を観る-病理学的アプローチと画像診断-

英 語

国内座長:浅田 祐士郎(宮崎大学 病理学)

近年の画像診断法の進歩は目覚ましく、プラーク・イメージングは動脈硬化性疾患の診断や治療効果の評価において重要な役割を果たしている。心血管イベントの多くはプラークの破綻(破裂・びらん)とそれに伴う血栓形成により発症することから、プラークの不安定性の評価が重要となる。現在、動脈エコー、血管内超音波、光干渉断層法、血管内視鏡、マルチスライスCT、MRI、PETなど、多くのモダリティを用いたプラーク性状の評価が進められてきている。不安定プラークについては、脂質コアサイズ、線維性被膜厚、石灰化などの形態的特徴に加えて、炎症の活動性や部位、プラーク内出血の評価も重要となる。近年、プラーク内の炎症や低酸素刺激に伴う酵素活性や代謝系産物の変化など、プラーク不安定化に寄与する新たな分子機構も報告されており、これらを指標としたイメージングも試みられている。またプラークびらんの検出や血栓の成分評価も可能となってきている。一方で、これらの画像所見と病理組織像との対比は、頸動脈プラークなど一部の血管を除けばほとんど行われておらず、病理組織学的な裏付けの重要性が指摘されている。本セッションでは、プラークや血栓の画像診断の現状と病理学的アプローチを含めた将来の方向性について講演いただき、理解を深めたい。

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