第83回 日本循環器学会学術集会

シンポジウム
大型血管炎の鑑別診断と治療

英 語

国内座長:石坂 信和(大阪医科大学 循環器内科)

大型血管炎とは、血管炎症候群の中で、大動脈およびその主要分岐動脈に主に病変をきたす疾患である。本邦では巨細胞性動脈炎、高安動脈炎が含まれるが、この両疾患とも指定難病に指定されている。大型血管炎は、重要臓器への虚血や動脈瘤の破綻から生命予後に重篤な影響を与えうる疾患である。遺伝的素因、自己免疫、環境因子などが発症に関与していると考えられているが原因は不明である。大血管炎の病像として、血管の狭窄、閉塞、拡張などがあるが、CTやMRIの普及は、血管内腔の異常がない部位においても、血管周囲組織の炎症性肥厚などを検出することもある。2018年4月より、一部のPET施設では、他の検査で病変の局在活動性の判断がつかない大型血管炎に対して、FDG-PET検査が保険適用となっている。
これらに加え、2010年の浜野らによる自己免疫性膵炎の報告により提唱されたIgG4関連疾患も大型血管炎の病像をとることもわかってきた。IgG4関連疾患も、2017年に指定難病となっている。このシンポジウムでは、大血管炎の成因、疫学、治療、診断に役立つバイオマーカーや画像モダリティなどさまざまな切り口から、現在の知見をまとめ、活発な討議を通じて日常診療に役立つ議論ができることを期待している。

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