第83回 日本循環器学会学術集会

プレナリーセッション
不整脈における新しいテクノロジー

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国内座長:平尾 見三(東京医科歯科大学 不整脈センター)

不整脈治療における新テクノロジーはカテーテルアブレーション領域と、デバイス領域とにみられるが、その有用性と限界については十分に認識されていない。

1)カテーテルアブレーション領域
頻脈の基質が梗塞・線維化・瘢痕組織などで複雑となると興奮伝播が不明瞭になるが、その時に興奮時の電気活動を自動でかつ高精度に心臓3D画像上にビジュアル化して、より直感的視覚診断を可能にするのがripple mappingである。心房細動・心房頻拍アブレーションに有用性が期待される。
心筋梗塞など器質的基質を有する心室頻拍は瘢痕内低電位領域・周辺部が頻脈の出現部位・reentry回路の一部となる頻度が高く、その解剖学的異常はMRIで詳細に解析可能である。現時点では、アブレーションと同時には応用できないが、real-time MRIアブレーション・システムが近々臨床応用検討が開始される。
従来のアブレーションが無効な心室頻拍の非観血的アブレーション法として、がん治療に用いるcyber knifeによる心筋アブレーションの臨床報告がなされ近未来治療法として注目される。

2)デバイス領域
リードレスペースメーカが臨床導入され、その有効性と安全性についてデータがある程度集積されており、臨床的有用性・課題点の検討が必要である。His束部にリード先端をscrew-inするHis束ペーシングは生理的心室興奮の観点から注目されているが、CRTの代替になるのか、CRTD機器に使用できるのかなどの検討課題が存在する。
このプレナリーセッションでは上記の新機器・システムについて実際に携わっている臨床家・研究者に現状、未来への期待と課題とを提示していただくことによって、本セッションが今後の不整脈診療の一つの道標となることが期待される。

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