第83回 日本循環器学会学術集会

シンポジウム
心房細動発症阻止へ向けた英知の結集

日本語

国内座長: 山下 武志(心臓血管研究所)
奥村 謙(済生会熊本病院 心臓血管センター循環器内科)
アジア人では、一生涯のうちに7人に1人が心房細動に罹患するとされ、高齢化人口の増加に伴っていまやcommon diseaseとなった心房細動は、社会にとって一つの大きなburdenとなった。ひとたび心房細動を発症すれば、脳卒中、心不全、冠動脈疾患、死亡など、さまざまな二次的イベントを介して、社会の生産性、経済性の喪失を招くからである。ここ10数年の間にカテーテルアブレーション、直接経口抗凝固薬などのmodalityの進化が、心房細動の治療、管理を飛躍的に向上させ、二次的イベントの予防の発生予防に貢献している。しかし、そもそもの心房細動の発症のメカニズム、あるいはその発症を予防する方法は未知のまま取り残されている。疫学的見地から、心房細動の発症率は、人種、遺伝子、年齢、性、体格、生活習慣、高血圧、糖尿病などの生活習慣病、あるいは心不全を中心とする循環器疾患の併存率やそのコントロールの程度に依存しているが、あるいはまた未診断心房細動の存在はその発症因子の網羅を難しくしているかもしれない。本シンポジウムでは、この未知の領域における英知を結集した上で、心房細動発症抑止という新しい社会的テーマに迫ってみたい。

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