第83回 日本循環器学会学術集会

シンポジウム
不整脈のPrecision Medicine

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国内座長:清水 渉(日本医科大学 循環器内科)

2001年にヒトの全ゲノム情報が解明され、ポストゲノム時代として、種々の循環器疾患で遺伝情報と臨床情報の関連が検討されてきた。不整脈領域でも、先天性QT延長症候群(LQTS)では、75%の患者で原因遺伝子が同定され、遺伝子型別などの遺伝情報に基づいた生活指導や治療、すなわち精密医療(Precision Medicine)が実践されている。また最近では、遺伝子変異部位やタイプ別のリスク階層化も行われている。その他の遺伝性不整脈には、ブルガダ症候群、カテコラミン誘発多形性心室頻拍(CPVT)、催不整脈性右室心筋症(ARVC)、QT短縮症候群、早期再分極症候群などがある。ブルガダ症候群は、遺伝的素因だけでなく環境因子などの多因子が病態に関与すると考えられているが、最近本邦からNaチャネル遺伝子であるSCN5Aの予後予測因子としての有用性が報告されている。CPVTは、先天性LQTSと並び遺伝子診断率の高い疾患で、リアノジン受容体遺伝子をはじめとする幾つかの遺伝子に、ARVCでは、細胞骨格タンパクや接着因子に関連する複数の遺伝子に変異を認め、表現型との関連やリスク階層化についても検討されている。本シンポジウムでは、遺伝性不整脈に焦点をあて、最新の研究成果や知見を発表していただき、遺伝子診断に基づくPrecision Medicineについて議論したい。

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