第83回 日本循環器学会学術集会

プレナリーセッション
Molecular Mechanisms of Heart Failure

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国内座長:小室 一成(東京大学 循環器内科学)

「心不全パンデミック」と言われるように世界中で心不全患者が急増し大きな問題となっている。心不全の薬物治療は、ACE阻害薬やβ遮断薬に代表されるように、原因にかかわらず多くの心不全患者において生命予後を改善するほどの有効性を発揮しており、またCRT-DやLVADなどのデバイス治療や心臓移植も大変よい治療成績を示している。このように心不全の治療法ほど種類が豊富で、進歩しているものはないと言っても過言ではないが、一方で心不全の予後は依然として不良である。その主な理由は心不全治療の多くが対症療法であって、原因に基づいた治療法ではないということが挙げられる。心不全を真に治すには、発症機序を解明し、その機序に基づいた治療法を開発する必要がある。心不全発症の原因疾患としては、高血圧、心筋梗塞、心筋症、弁膜症など様々な疾患があるが、どの疾患においても心筋細胞肥大が存在する。40年以上前に心肥大といった代償機序の破綻により心不全を発症するというコンセプトが提唱されたが、その破綻の機序は未だ不明である。本プレナリーでは最近注目されている慢性炎症、代謝異常、メカニカルストレス応答不全など様々な観点から心不全発症の機序について考える。

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