第83回 日本循環器学会学術集会

シンポジウム
画像診断による心筋虚血の評価:治療法選択と予後予測における有用性

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国内座長:赤阪 隆史(和歌山県立医科大学 循環器内科)

冠動脈疾患における画像診断の進歩は目覚ましく、あらたな心筋虚血評価法の有用性が数多く報告されている。心筋虚血の有無とその程度や範囲に基づいた適切な冠動脈疾患の治療法選択により、内科治療や冠動脈インターベンション、冠動脈バイパス術の治療成績向上や予後改善が期待されている。FFRやiFRは心臓カテーテル検査時に冠動脈の枝ごとに心筋灌流障害の程度診断が可能で、負荷心電図・負荷心エコー・心筋シンチグラムの限界とされていた多枝病変や陳旧性心筋梗塞例における心筋虚血評価に有用性が報告されている。これらは中等度狭窄病変の機能的狭窄度評価に有用とされ、欧米のガイドラインではクラスIまたはIIaに推奨され、機能的評価による治療法選択が解剖学的評価に基づくものより予後を改善するという多くのエビデンスが構築されてきている。また、perfusion MRIやCT perfusionによる心筋虚血評価の有用性やMSCTと心筋シンチグラムのfusion imageの有用性も報告されている。さらには、コンピューターによる冠循環シミュレーションからFFRをMSCTや3次元冠動脈造影から推定しようとするFFRCT・QFRの臨床応用も始まり、日常診療における冠動脈疾患診断・治療の流れが変化する可能性もある。このような背景から、各種心筋虚血画像診断の有用性と限界について議論を深め、心筋虚血画像診断のあり方を模索したい。

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