
ご挨拶のはじめに、3月11日に起きました東日本大震災で亡くなられました方々、被災されました方々に哀悼とお見舞いを申し上げます。震災は日本全土、さらに国境を越えて大きな影響を及ぼしております。第110回の日本皮膚科学会総会も4月に開催予定でしたが、甚大な影響、深刻な事態に鑑みて中止しております。復興途上にあってこれから前進する状況です。一方、大きな被害にあっていない多くの人々、皮膚科学会会員にとりましても自らの場所で本分を尽くすことが重要ですし、その中で被災者・被災地への前向きの貢献・姿勢が必要です。第111回日本皮膚科学会は2012年6月1〜3日に国立京都国際会館で開催する予定です。この総会を会員の皆様とともに実り多い学術集会にすることで被災された皆様、また中止されました第110回の総会に私たちの気持ちをお伝えできるように信じております。そのためにも総会を担当します筑波大学の皮膚科一同全力を尽くす所存ですのでどうぞ宜しくお願い申し上げます。
さて、第111回の日本皮膚科学会を国立京都国際会館で開催できますこと、誠に光栄に存じますとともに、会員の皆様に心より感謝申し上げます。筑波大学は1973(昭和48)年に、東京教育大学を発展的に廃校して、開学しました。1976年4月に上野賢一教授が着任し、1991(平成3)年に大塚が2代目を引き継いでおります。皮膚科の中では、35年を数えるのみの若々しい教室で、青年期にあるとも言えましょう。これまでの伝統ある大学皮膚科と異なる持ち味を出せればと考えますが、一方で日本皮膚科学会の長い歴史の中で総会を担当します責任の重さを痛感しております。
今回の総会のテーマは「進化する皮膚科:知と技を磨く」です。今日、医学も、皮膚科学も勢いよく進歩しています。従来混沌としていた病態が解明され、的を絞った薬剤の開発を含めて新しい治療法が次々と世に出ています。このように進化しつつある皮膚科学を知と技の面から学び、磨きをかける、これを目標に学会を準備したいと考えています。本学会が皮膚科医、皮膚科専門医の教育、生涯教育を基本任務として開催される、その趣旨に最大限沿えればと存じます。皮膚科学の基本知、技の勉学、習得に教育講演を主体に構成、特別講演として筑波大学山田信博学長に「メタボリックシンドローム」の病態や皮膚との関連を、Dennis Roop教授に角化細胞の幹細胞や再生医療の基礎知見をお話しいただく予定です。皮膚科医、専門医、さらには学会のあり方、研究医の養成などについても議論、考える場を設ける予定です。本学会を通して若い皮膚科の皆さんが将来活躍できる地ならしのような、あるいは種まきができればこれも大変喜ばしいことです。
6月初めの京都の第111回日本皮膚科学会総会が多くの会員の皆様に、意義深い、記憶に残る総会となりますよう私ども一同鋭意努力する所存です。多数の皆様のご参会をお待ちしております。何とぞよろしくお願い申し上げます。