第22回 日本医療マネジメント学会学術集会

会長挨拶

第22回日本医療マネジメント学会学術総会
会長 三木 恒治
(社会福祉法人恩賜財団済生会滋賀県病院長)

病院ビッグデータ革命~データ活用による「医療の質」「医療・介護連携」の飛躍(Leap)を求めて~
 この度、第22回日本医療マネジメント学会学術総会を2020年6月26日(金)・27日(土)の2日間にわたり、京都市勧業館「みやこめっせ」およびロームシアター京都で開催させていただくことになりました。京都市での開催は、第13回学術総会以来、9年ぶりとなります。
 学術総会の開催当初は、クリティカルパス、医療安全などを中心に発展してきましたが、現在ではもっと幅広く医療に関するすべてのマネジメントが議論される多職種が集う学術総会となってきました。著名な米国の経済学者、「マネジメントの父」と呼ばれるP.F.ドラッカーによれば、マネジメントとは、「経営管理」などの意味を持つ言葉で、組織の目標を設定し、その目標を達成するために組織の経営資源を効率的に活用したり、リスク管理などを実施する事で、「組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関」と定義しています。すなわちマネジメントの対象は、ヒト、モノ、カネ、情報といえましょう。その中でも近年、情報の管理・分析、その有効活用が大きな課題となっています。なかでも公的医療ビッグデータの活用が重要なポイントになってきました。情報を制するものはマネジメントを制する、その典型例がDPCの開発と厚労省のNational Database(NDB)などの情報公開による分析と活用であると思われます。DPCデータの活用の実例としては、クリティカルパスの評価や診療実績、Quality Indicatorのベンチマーク比較、評価等々が挙げられます。
今、日本の医療は厚労省の掛け声のもと、地域医療構想の実現と地域包括ケアシステムの構築に邁進しています。地域医療構想では病床の機能分化・連携の掛け声のもとに病床機能報告制度が始まり、2025年に向けてビッグデータに基づいた予測必要病床数が提示されています。すなわち過剰な急性期病床、足りない回復期病床が指摘され、病院は今、大再編時代を迎えています。その大再編時代のカギを握るのは、データ活用といえます。
 一方、質の高い医療の提供は、我々医療者の使命です。超高齢社会の進展で、医療のみならず、質の高い医療・介護を実現するため、医療・介護連携も極めて重要な使命になってきました。こうした使命を果たすためには、今まで以上に健全経営の実践は欠かせません。そのためにはデータの分析が必要であり、今まさに大きな飛躍(Leap)をもたらす「病院ビッグデータ革命」の必要性に迫られているといえるのではないでしょうか。
 今回担当させていただく第22回日本医療マネジメント学会学術総会で、「病院ビッグデータ革命」の必要性を高らかに掲げ、医療の質向上を目指す学会会員の皆様方とこのテーマについて広く、深く考えたい――。そこからあらたな医療マネジメントの方向性が垣間見えてくるのではないかと思い、今回のメインテーマを「病院ビッグデータ革命~データ活用による「医療の質」「医療・介護連携」の飛躍(Leap)を求めて~」とさせていただきました。学会会員の皆様方のご協力、ご指導をいただきながら、実りのある学術総会になるよう尽力して参りますので宜しくお願いいたします。
 会場の都合で滋賀県ではなく、平安神宮に隣接した京都岡崎の文化ゾーンの“みやこめっせ”と“ロームシアター京都”で開催させていただくことになりました。祇園祭間近の6月末はかなり暑さが気がかりですが、学術総会の合間には、京都観光も楽しんでいただいて、京都の“おもてなし”と共に味わう京料理に舌鼓をうちながら、日ごろのお疲れを癒していただければと思います。“おこしやす”、学術総会へ。