ご挨拶

第51回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会の開催にあたって

第51回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会、会長:高橋 満(静岡県立静岡がんセンター整形外科)

第51回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会
会長 高橋 満
静岡県立静岡がんセンター整形外科

第51回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会を2018年7月12日(木)、13日(金)の2日間にわたり、静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」において開催させていただきます。伝統ある本学術集会を静岡がんセンター整形外科および名古屋大学整形外科学教室がお世話させて頂くことを大変光栄に存じます。

学術集会のテーマは「進行肉腫と骨転移に対する新たな治療戦略」”Tactics Now!! Against Advanced Sarcomas and Bone Metastases“としました。

限局性の骨・軟部肉腫の治療に関しては、諸先輩の作り上げたsafety marginによる患肢温存手術が定着し、良好な局所制御率と生命予後を保証できるようになりました。また、補助療法や画像支援手術の実用化に伴い、機能温存手術も急速な進歩を見せております。しかし、切除縁縮小を語る際には、安全性の根拠となる画像所見を明らかにする必要があります。腫瘍の外縁はどこで、腫瘍細胞浸潤の可能性がある「反応層」はどこまでを見ればいいのか? 本学術集会においては、術前画像と病理所見・切除縁評価を対比検討した多くの演題が寄せられ、適切な切除縁縮小に向けた議論がされることを期待しております。

「進行肉腫」としては、上肢帯や骨盤等に発生した手術困難症例と、手術不能の再発・転移症例を課題症例として議論する予定です。前者では、手術に際しての適切な切除縁と術後QOLを確保するためのチャレンジを、後者では局所コントロールと生命予後の改善に向けたチャレンジを多数報告いただき、困難症例の治療に向けた道標となることを期待しております。これらに対しては、現在は多数科の連携による集学的治療の取り組みが必須となっていますので、パネリストには、整形外科医のほか放射線治療医、腫瘍内科医も指名する予定です。課題症例に関連した各自の治療経験を報告していただいたうえで、粒子線、分子標的薬を含めた新たな治療戦略を議論したいと思います。

骨転移患者においては、新規抗がん剤・分子標的薬の実用化に伴って生命予後が向上し、QOL維持が療養に向けて非常に重要な課題となってきております。骨修飾薬の導入により骨融解病変の進行を一定期間抑制することができるようになったことから、整形外科医の関与の仕方も変わる必要があります。事象が生じた後の従来型の対応に加えて、事象が起こる前の対応、すなわち病的骨折や脊髄麻痺によるQOL低下を予防するためのリスク管理に整形外科医が関与することが強く求められていきます。骨転移治療は、癌専門病院や癌診療拠点病院に勤務する整形外科医に限らず、すべての整形外科専門医に求められる基本領域です。

本学術集会においては、7月13日(金)を骨転移special dayとして、整形外科医を含む多職種が骨転移治療の最近の流れと先進的な試みを見聞し議論する機会をもうけました。当日は、原発腫瘍治療科、放射線治療科・リハビリテーション科、緩和医療科、理学療法士、看護師など、多数の専門家が集まり骨転移治療に関して議論するワークショップを準備しております。

会員の皆様に最新の情報を発信するとともに、富士山に抱かれた静岡での最高のおもてなしができるよう、当院および名古屋大学教室員が一丸となって努力する所存であります。たくさんの会員及び多職種の皆様の参加をお待ちしております。

page top

ENGLISH