特発性心室細動をきたす疾患としてBrugada症候群があり、心電図の右側胸部誘導で右脚ブロック様のcoved型ST上昇を示すことはよく知られている。このような心電図変化とは別に、下壁あるいは側壁誘導でJ波と呼ばれる小さな波形が、特発性心室細動の発現に関与することが報告されている。一般に、QRS波が異常をきたせば脱分極異常、ST部分あるいはT波が異常をきたせば再分極異常と判断される。多くの報告では、J波を"early repolarization"というように、再分極異常としてとらえている。しかし、J波はQRS波終末部に記録される波形であるため、考え方によっては脱分極異常ととらえることもできる。近年、欧米のみならずわが国を含めたアジアからも、この特発性心室細動に関しての新しい知見が数多く報告されている。臨床的特徴、診断方法、あるいは治療方法などにおいてもBrugada症候群と類似する点が多く、その違いについても議論されている。
   本シンポジウムでは、まずBrugada先生に特発性心室細動に関してshort lectureしていただき、その後、韓国、台湾、ベトナム、そして日本から特発性心室細動の診断法あるいは治療法などに関する最新の研究結果を発表していただき、アジアにおける特発性心室細動の特徴と管理について論議してみたい。