心不全患者には上室性、心室性を含めた様々な不整脈が合併する。心房細動は心不全の進行に伴い頻度が増加し、また心房細動の合併は心不全の増悪因子にもなる。心室性不整脈、特に非持続性心室頻拍は心不全患者の40%以上に合併し、重要な予後規定因子となる。心不全患者の死因の1/3以上は心臓突然死であり、その殆どは心室細動(VF)または心室頻拍(VT)が原因である。したがって、慢性心不全患者における不整脈の管理は生命予後改善のためにも重要な課題である。致死性不整脈治療として、従来の下流治療である抗不整脈薬の限界が指摘されており、植込み型除細動器(ICD)が確実な予後改善治療として位置付けられつつある。一方、心不全に伴う交感神経、レニンーアンジオテンシンーアルドステロン(RAA)系の活性化、Caハンドリングの異常およびイオンチャネルの電気的リモデリングなどは異常自動能やリエントリー性不整脈を惹起する。従って、これらの因子の是正も致死性不整脈の上流治療となる。本シンポジウムでは心不全に伴う不整脈の基礎、薬物療法、非薬物療法および上流治療に関して最新の知見を発表して頂き、今後の新たな展開を議論する。