検査の目的は病気の診断や病態把握あるいは予後予測であり、その結果に基づいて次の方針を決定する。従って、えられた検査結果は臨床に役に立つものでなければならない。たとえば心電図は日常ルーチン検査として健診から救急まで幅広く行われ、心臓について最も基本となる臨床検査であり、その意義は重大である。そのことを認識しておかなければならない。また、検査にあたっては"評価できる記録"をとることがきわめて重要である。"評価できる記録"とは、正確でノイズやアーチファクトの少ないきれいな記録というだけでなく、プロとしての工夫を反映した記録であることが望まれる。そのためには、記録をとる者がその病態、検査の目的について精通しておくことが必要であり、そういった観点から、今回の公開講座を企画した。
   講演1では、突然死を予知する心電図記録について講演いただく。標準十二誘導からも突然死の可能性を示唆する所見もあるが、さらに、特殊心電図として加算平均心電図による遅延電位、負荷時のT-wave alternans、QT-dispersion、心拍変動などの自律神経機能評価も参考になる。こういった心電現象から得られる異常所見と突然死についてその予防の観点から講演いただく。
   講演2では、標準十二誘導心電図に追加する補助誘導記録を取り上げる。右胸心、右室梗塞や後壁梗塞、ブルガダ症候群を疑ったときなど、その有用性は大きい。また、最近では標準十二誘導の記録からシミュレーションモデルに基づいて右前胸部や背部の誘導を含む18誘導波形を表示する新しい技術が開発されており、そのシステムについても紹介する。
   いずれも、明日からの検査に役立つ内容と思う。ワンランクアップを望む臨床検査技師、看護師の方々の積極的な参加を勧める。