学会長挨拶

第65回日本農村医学会学術総会
学会長 玉置 久雄
JA三重厚生連 松阪中央総合病院 名誉院長

玉置 久雄

このたび、「平成28年熊本地震」に被災された方々には謹んでお見舞い申し上げます。様々な困難が続くなか、なお一層の安全と一日でも早い復興をお祈り申し上げます。

第65回日本農村医学会学術総会を平成28年10月27日(木)、28日(金)の両日、三重県志摩市で開催いたします。歴史と伝統ある本学会を16年ぶりに三重県で開催させていただくことを誠に光栄に存じております。折しも、本年の5月には今学会場の志摩市賢島におきまして7か国首脳会議(サミット)が成功裡に開催されました。これには関係各位の周到な準備と万全の警備体制、そしておもてなしの心によるものと思われます。これに倣って私達も精一杯今学術総会の運営にあたらせて頂きます。

日本農村医学会は、60年余の歴史を有し農村・農民に健康と福祉を普及することから始まり、現在も地域医療や僻地医療の推進に実践的に取り組んでおります。会員は全国の厚生連病院や大学病院、研究機関を中心に構成されており、現在は会員4,596名を擁しております。

第65回学術総会のテーマは「未来につなげよう地域医療 ~やるやんか 三重~」とさせていただきました。厚生連病院の多くは地方に存在し、会員の多くは地域医療の崩壊の危機にさらされながら再生に向けて活動を続けております。私たちは過去の学術総会でも様々な角度から地域医療の再生を論じてまいりました。しかし、現状との間には未だ少なからぬ距離が存在しているのも事実です。この先には待ったなしに地域医療構想が進むなか迫られる病床削減や機能分化あるいは連携、厳しい診療報酬改定、消費税増税などが待ちかまえております。今学会では変革を迫られて変わらなければならないもの、変わってはならないものを議論いただき、未来の医療者が安全で安心な環境で働けるような地域医療像を創り出すことを願っております。

今回の内容は、各種講演、一般演題、シンポジウム、ワークショップ、研修医セッション、ランチョンセミナー、企業展示並びに市民公開講座で構成します。特に、一般演題は540とこれまでにない応募数をいただき、会員の皆様の並々ならぬ熱意に身の引き締まる思いで取り組みました。地域医療の再生に三重県では行政と三重大学が一体となって様々な取り組みがなされております。特別講演では、三重大学医学部附属病院長の伊藤正明教授に三重県独自のMie Medical Complex(MMC)を中心とした地域医療への取り組みをご講演頂きます。教育講演では、本居館館長の吉田悦之先生に松阪が生んだ偉大な国学者で医師でもあった本居宣長の当時の生活ぶりや地域医療事情と国学者としての足跡をご講演頂きます。ワークショップでは「感染症」、「認知症」、「病棟配置」、「医療経営」等いままさに悩める問題を取上げました。また、研修医セッションも例年になく多くの応募をいただき各厚生連病院が研修医に人気があることを実感しております。

今回の会場は伊勢志摩国立公園の真っただ中で、美しいリアス式海岸や秋の海に浮かぶ真珠筏など記憶に残る景観を楽しんでいただけると思います。また、伊勢エビやアワビをはじめとする豊富な海産物に加えて、松阪牛や伊賀牛など誇れる食材に恵まれた美味し国三重を堪能していただければ幸いです。会場の近くには全国神社の頂点に立つ伊勢の「神宮」があります。西行法師がたたえたように「神宮」には昔も今も荘厳な「気」が満ちており、会員の皆様の霊性を呼び覚ましてくれるのではないかと思っております。さらに、足を延ばせば2004年に世界遺産に登録された伊勢神宮と熊野三社を結ぶ「熊野古道」を辿ることが出来、他にも松阪の御城番武家屋敷や伊賀上野の忍者屋敷など今も生きている昔を体験されては如何でしょうか。三重の地でスピリチュアルな充電をしていただき明日の地域の再生や地域医療の未来へつなぐ糧としていただくことを願っております。

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