シンポジウム8  
肝細胞癌に対する各種治療のコラボレーション
司会: 新関  敬(久留米大学医学部内科学講座 消化器内科部門)
髙見 裕子(国立病院機構九州医療センター 肝胆膵外科)
Discussant:藤川 貴久(小倉記念病院 外科)
薬物治療をはじめとする各種治療法の目覚ましい進歩により、進行した肝細胞癌では切除・局所療法・IVRなどと薬物治療との利点を生かしたコラボレーションにより治療成績を改善させることが重要となった。一方、その対象や治療プロトコールについて更なる検討が必要とされ、当セッションにおいては、各施設における進行肝細胞癌に対する様々なコラボレーションの治療成績をご披露いただきたい。また、日本肝癌研究会・日本肝胆膵外科学会合同プロジェクトから肝細胞癌の腫瘍学的切除可能性分類(Expert Consensus 2023)より、borderline resectableの新分類が提案された。すなわち、「BR1: 切除単独では一般に予後不良であるが集学的治療の一環としての切除により予後の改善を期待しうる3つの腫瘍条件」、「BR2: 切除による予後改善効果について十分なエビデンスが無く、集学的治療の中でその適当を慎重に判断すべき3つの腫瘍条件」である。この新分類に基づいた治療成績の比較検討や妥当性など、より良い治療方針を議論出来ればと期待している。