第83回 日本循環器学会学術集会

シンポジウム
リスク予測・シミュレーション医学から治療技術まで
-Precision Medicineへの医工学連携によるアプローチ-

日本語

国内座長: 中村 匡徳(名古屋工業大学)
吉栖 正生(広島大学 心臓血管生理医学)
2015年1月20日、オバマアメリカ合衆国大統領の一般教書演説において、“Precision Medicine Initiative” が発表された。“Precision Medicine” では、個々の患者のデータに応じた個別医療が行われる。がん治療の領域では、がんゲノムの情報にもとづき、人工知能の力も借りて、その個人に最も有効な治療法が選択される。
血行動態は個々の患者で全く異なる。計測により血行動態を精度良く捉えることは容易ではないが、流体シミュレーション技術を用いれば、計算により再現することが可能となる。FFR-CTは、流体シミュレーション技術を用いて、冠動脈狭窄を非侵襲的に評価する技術であり、世界中に広まりつつある。
今後、冠動脈血管バイパス手術前のシミュレーションにより、逆行性血流などを予測することができれば、術式を選択するための指針となる。また動脈瘤においても、大きさや形状だけではなく、壁応力の推測から破裂予測が可能となる可能性がある。
日本循環器学会と日本機械学会が連携協定を締結したこともあり、工学系が有している技術を医学系が取り込み、新しい医学領域を創成する機運が高まっている。本セッションでは、医工学連携によって、循環器領域におけるPrecision Medicine分野を切り開くための基盤技術およびデバイス開発について議論する。

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