第83回 日本循環器学会学術集会

プレナリーセッション
成人先天性心疾患における画像診断の最近の進歩

英 語

国内座長:三谷 義英(三重大学 周産母子センター)

診断と治療の進歩により先天性心疾患(CHD)の生命予後が格段に改善した。CHDは人口の約1%、日本で年間12,000人発症し、95%が成人に達する。2016年現在、成人CHD患者数は50万人と推計され、年間約1万人ずつ増加している。修復術後例も含めて、CHDの続発症、成人期合併症の対策の為には、生涯に渡る医療的管理が重要である。経過観察と薬物療法、外科的ないしカテーテル治療の介入とその後の評価には、画像診断法が重要となる。CHDの日常診療に於いては、従来からの心エコー検査の進歩に加えて、非侵襲的画像診断として、MRIとMDCTなどmultimodality imagingも重要となっている。心エコー検査では、3Dに加えて3D(4D)のspeckle trackingによる璧運動解析が可能となった。MRIは、心血管形態の全体像に加えて、心機能、血流量、組織性状が可能であり、最近のT1マッピングによる細胞外容積分画の評価、4D flowによる血流動態の評価が可能となってきている。MDCTは、多列化、再構成法の進歩により、短時間かつ低被曝で高い空間分解能のある画像が得られ、最近では、3D printing、立体再構成により、カテーテル治療、外科治療のシミュレーションを可能にした。これらのmultimodalityな非侵襲的診断法は、成人期CHDの詳細な評価と治療介入など診療現場に大きな影響を与えつつある。本セッションでは、成人先天性心疾患領域に於ける画像診断の最新の研究成果、臨床応用のデータを検討したい。

閉じる

↑ pagetop

© 2018- 第83回 日本循環器学会学術集会. All Rights Reserved.