第83回 日本循環器学会学術集会

プレナリーセッション
循環器領域における再生医学の現状

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国内座長:福田 恵一(慶應義塾大学 循環器内科)

1990年代より幹細胞の開発や臓器の発生を決定づける液性因子と転写因子の発見が次々となされたことから、ヒトの先天奇形やさまざまな病気の成り立ちが明らかになってきた。心臓においても、その発生を司る転写因子の遺伝子異常により先天性の心奇形が発症すること、心臓発生に必要な液性因子をES細胞やiPS細胞に応用することにより、心筋細胞が分化誘導できることが明らかとなり、再生医学の発展へとつながった。現在、心臓領域の再生医学ではiPS細胞を用いて心筋細胞を作出し、細胞移植を行うことにより難治性重症心不全を治療しようという試みがなされ、今後臨床応用が開始される予定である。また、さらに転写因子を複数組み合わせて遺伝子導入することで、心筋細胞に転換させるdirect inductionという手法も開発され、目覚ましい進歩を遂げている。再生医療は発生学だけでなく、組織工学、非臨床安全性試験等の知識も要求される。また、これらの治療法が臨床応用され、有効性安全性が示された場合には、心不全治療が激変する可能性がある。本プレナリーセッションではこうした状況を踏まえ、心臓領域の発生学の最新の研究を紹介するとともに、心臓病の再生医療の現状を報告していただくことを企画した。指定および一部公募としたので、多くの先生方の応募を期待している。

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