第83回 日本循環器学会学術集会

シンポジウム
非コードRNAとエピジェネティクス

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国内座長:尾野 亘(京都大学 循環器内科学)

哺乳類の細胞における遺伝子発現はDNAのメチル化、ヒストン修飾、エンハンサーとプロモーターの相互作用、非コードRNAによる制御を含む、クロマチンのエピジェネティックな状態によって調節されている。これらの多面的な調節がさらに協調的に働くことによって細胞周期、細胞の運命決定、発生や疾患の発症が制御されていることは想像に難くない。従って、こうしたエピジェネティックな制御について研究することは、細胞、組織、臓器のすべてのレベルの遺伝子制御の理解にとって大変重要である。近年、非コードRNAやエピジェネティックス研究は大変進んでいる。しかしながら、これらの分野は依然発展途上であり、それゆえ近い将来大きな進歩を遂げる可能性がある。今回のシンポジウムでは、基礎および臨床研究者にとって役に立つ、エピゲノム制御の原理、研究方法、循環器疾患におけるエピゲノムあるいは非コードRNAによる遺伝子制御の最近の話題について取り上げたい。さらに、心血管系に重点をおいたコンピュータやハイスループット・シーケンシング技術を用いたエピゲノム解析についての発表も期待したい。このシンポジウムがエピゲノムの理解のための医用工学研究、さらにそうした医用工学研究の臨床への応用を加速させるきっかけになれば幸いである。

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