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第51回 日本整形外傷学会学術集会

The 51st Annual Meeting of the Japanese Orthopaedic Trauma Association

会長挨拶

第51回日本整形外傷学会学術集会

会長 井口 浩一

(埼玉医科大学総合医療センター 外傷センター)

この度、第51回日本整形外傷学会学術集会を、2025年6月27日(金)・28日(土)の2日間、パシフィコ横浜にて開催させていただく栄誉を賜りました。第50回の学術集会までは日本骨折治療学会の名称で慣れ親しんできましたが、今回から名称を改めることとなりその節目の学術集会を主宰させていただくことになり、身に余る光栄に存じます。

近年、本学会は国際整形外傷学会(IOTA:International Orthopaedic Trauma Association)に加入して、国際化が加速されています。2028年には日本で第3回IOTA meetingが開催されることが決まっており、名称を日本整形外傷学会(JOTA : Japanese Orthopaedic Trauma Association)に変えることは必然であり、タイミングの問題だけだったのかもしれません。第51回学術集会は100回を目標と定めたときにちょうど折り返し地点に当たり、まさにターニングポイントにふさわしい時期だったと思います。

働き方改革が始まり、緊急手術や救急患者の対応などの局面ですでに歪みが生じている中、整形外科領域における緊急手術の多くは外傷治療であるため、本学会が対応すべき課題は今後益々増えてゆくと思われます。純粋に学術的な議論だけでなく、労働環境も整えながら医療の質向上を目指すため、広く社会に訴えていく必要性もあるだろうと考えます。本学術集会は学会名称の変更にとどまらず、整形外傷を取り巻く時代の変換期に開催されるものと捉えております。

今回の学術集会のテーマは「Resonance」です。聞きなれない単語ですが、MRIの“R”がresonanceであり、共鳴あるいは共振という意味です。救命センター・救急科との共鳴、老年病科・老人内科との共鳴、血行再建における血管外科・形成外科との共鳴、働き方改革における他職種との共鳴など、整形外傷医の進化には、他の専門医・専門職との協働が欠かせません。骨折治療から整形外傷治療に枠をひろげたときに生じるニッチな領域をカバーするために、「Resonance」が生命線になるでしょう。学会の名称変更に伴って、さらに本学会が進化・拡大することを願い、このテーマを掲げています。

埼玉での開催を模索したのですが、会場の規模の関係でパシフィコ横浜での開催としました。再出発にあたる第51回学術集会は、海なし県よりも港の方が適していると、今では確信しています。整形外傷医だけでなく、いろいろな方に集まっていただき、日本の外傷治療のあり方を議論していただきたいと願っています。

皆様の奮ってのご参加を心よりお待ちしております。