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第51回 日本整形外傷学会学術集会

The 51st Annual Meeting of the Japanese Orthopaedic Trauma Association

会長挨拶

第51回日本整形外傷学会学術集会

会長 井口 浩一

(埼玉医科大学総合医療センター 外傷センター)

この度、2025年6月27(金)〜28(土)に、パシフィコ横浜(横浜市)において、第51回日本整形外傷学会学術集会を開催させていただきます。本学会は、1978年4月15日に第1回骨折研究会として始まり、1982年に日本骨折研究会、1992年に日本骨折治療学会に名称変更されました。そして本年から日本整形外傷学会に名称変更され、新たな一歩を踏み出す節目の学術集会となります。この重要な年に学術集会を運営させていただくことは、大変光栄なことであり、その重責に身の引き締る思いであります。

今回のテーマは「Resonance」とさせていただきました。聞き慣れない単語ではありますが、日本語では「共鳴」あるいは「共振」と訳されます。学会の名称変更に伴い、骨折治療から整形外傷治療にシフトしたときに生じるニッチな領域をカバーするために、救命センター・救急科との共鳴、老年病科・老人内科との共鳴、血行再建における血管外科・形成外科との共鳴など、他の診療科との「Resonance」が生命線になるでしょう。また働き方改革への対応として、ワークシェア、ワークシフトを進め、AIの利活用による業務の効率化を進めることなど、異業種との「Resonance」も喫緊の課題であります。そのような観点から、本学術集会では9つのResonanceセッションを企画しています。

外傷センターの制度化に関して、これまで私たちは学会全体として一致団結した動きは行なっていませんが、果たしてこのままで良いのでしょうか? UKのMajor Trauma Centre制度化に多大な貢献を果たしてきたCG Moran先生をアドバイザーとして招聘し、評議員の先生方に学術集会にあわせて行なったアンケート調査の結果も踏まえて、整形外傷医の役割、覚悟に関して皆さんと議論したいと思います。この企画はフォーラム1「整形外傷センターの未来」というセッション名で、第1日目の午後に予定しています。

その他、上級演題として、特別講演、招待講演、文化講演、ディベートが1セッションずつ、フォーラムが3、シンポジウム12、パネルディスカッション9、脊椎外傷2セッションとたいへん盛りだくさんの企画になっています。また、海外からの招待演者のセッションとして、IOTA 2名、AO 4名、KFS/TOTSの会長 2名の講師を招聘しています。主題・一般演題の応募もたくさん頂戴し、最終的な採択演題は、学会賞・主題・一般演題・ポスター・英語セッションあわせて796演題となりました。この場をお借りして御礼申し上げます。教育研修講演はオンデマンドでの視聴だけとなっており、現地参加できなかった会員でも専門医の単位は取得可能となっています。

今回の学術集会の会期中、専攻医など若い先生たちが十分勉強できるよう、コンテンツを充実させました。骨折プロレス、開放骨折てらこや、骨折予備校の若手セッション3部作のほか、ハンズオンセッションを行うマルチパーパスルームをのべ13枠企画しました。若い先生達に整形外傷の魅力を十分に伝えることで、多くの先生が将来整形外傷をサブスペシャルティとして選択していただけることを期待しています。

若い先生だけでなく、私たちは成長し続けなければいけません。もっと潜在能力を開花させることができるはずです。本学術集会で何かに気づき、心に火をつけることができれば、この上ない幸せです。どうぞ2日間、ご堪能ください。

全国から医師・看護師など医療従事者、工学系の研究者など、たくさんの方々の参加をお待ちしています。どうぞよろしくお願いいたします。