会長挨拶

 日本臨床腫瘍学会は2002年に設立され、10年以上が経過しました。会員数は設立当初、600名でしたが、現在、8900人を数える大きな学会となっています。これに伴って、学術集会への参加者数も年々増加の一途をたどっており、最新の研究成果の発表と有用な情報交換の場として、重要な役割を果たしています。

 第13回日本臨床腫瘍学会学術集会を2015年7月16日(木)~18日(土)の3日間、札幌市で開催する運びとなりました。

 今回の学術集会では、テーマを「難治がんへの挑戦 -医学、医療、社会のコラボレーション-」(Fight against Deadly Cancer –Collaborations among Science, Cancer Care and Society-)と掲げました。現在、難治がん対策・治療開発が大きな問題となっており待ったなしの状態ですが、その克服のためには、医学、医療、社会の連携が重要かつ必要です。すなわち、基礎医学シーズからの橋渡し研究、臨床試験、実地診療、患者サポート、行政を含む社会全体の取り組み・支援にわたる、幅広い連携が重要と考え、テーマとした次第です。

 学術集会テーマに即して、海外・国内のがん関連学会との合同シンポジウム、インターナショナルセッション、シンポジウム、ワークショップ、教育講演などのプログラムを、学術企画委員会・国際委員会・教育委員会等のご協力のもと、これまでの学術集会の流れを発展させる形で、企画して参ります。「医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー」を、今回も腫瘍内科医会と協力して実施していきたいと思います。また、2015年4月に本学会の専門医、がん薬物療法専門医の認定数が1000人に到達しますので、これを記念する企画も考えております。

 JSMO学術集会では2011年よりアジアに軸足を置いた国際化を進めております。今回の学術集会でも、ASCO会長、ESMO会長を含むトップクラス海外研究者を招聘して、最新の研究動向を講演していただくとともに、海外に向けて演題募集を行い、インターナショナルセッションで海外研究者と交流する機会を設けます。また米国(ASCO)、欧州(ESMO)、中国(CSCO)、韓国(KACO)、シンガポール(SSO)、豪州(MOGA)のがん関連学会と合同シンポジウムを開催して、学術集会の国際化をより一層、推進します。

 第13回学術集会に多くの方々にご参集いただき、がん克服をめざして、活発に研究発表、討論、情報交換していただくことを願っております。2015年7月、さわやかな夏の札幌に皆様をお迎えすることを事務局一同、心よりお待ち申し上げています。


第13回日本臨床腫瘍学会学術集会 会長
秋田 弘俊
北海道大学大学院医学研究科腫瘍内科学分野 教授