会長挨拶

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第45回日本骨・関節感染症学会
会長 土屋弘行 (金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 整形外科学講座 教授)

2022年7月8日(金)・9日(土)と、石川県金沢市文化ホールにおいて、第45回日本骨・関節感染症学会を開催いたします。私ども金沢大学整形外科学教室が担当させていただくことを大変光栄に存じます。

この伝統ある学会の今回のメインテーマは「感染症治療の新時代 ~継承と革新~」といたしました。感染症は人類が誕生して以来ずっと、今もなお人類を苦しめています。感染症の治療は太古からおこなわれてきており、時代とともに変化している治療方法や、長い時をへてもかわらない感染症診療の原則などを、継承と革新というテーマで討議できたらと思います。
学会は金沢市内中心部の金沢市文化ホール内の2つの会場を使用し2日間行われます。全国の先生方に可能な範囲で現地参加してもらえばと思います。
米国からJavad Parvizi先生、イタリアからCarlo Luca Romano先生をはじめとした国内外で活躍されている先生方の講演を予定しております。日本人の講演では杏林大学の森井健司先生や中野島整形外科の山田浩司先生などにわかりやすい講演をお願いしています。シンポジウムでは、ディベートセッション「激突!感染症例検討(腫瘍・脊椎・関節)」を設けました。二人の演者に症例を提示し、治療方針を熱く討議してもらう企画です。是非濃厚なディスカッションを聴講いただければと思います。また、多職種からの感染対策ということで、薬剤師、看護師、理学療法士などのセッションも予定しています。最終日にはICD講習があり、金沢大学附属病院感染制御部の岩田恭宜先生、厚生連高岡病院総合診療科・感染症内科の狩野惠彦先生が講演されます。

初日の7月8日金曜の夜には、しいのき迎賓館にて全員懇親会を予定しております。金沢城、金沢城公園を眺めながら、ポール・ボキューズの料理とサケマルシェの地酒などのおもてなし、興行を楽しんでもらえばと思っています。

日本骨・関節感染症学会は、1978年に日本骨・関節感染症研究会として発足し、現在は会員数約700人、年に一度学術集会が開かれています。2004年に学会がSSI(手術部位感染)の全国調査を実施し、その調査は日本整形外科学会の学術プロジェクト研究に採用されました。そこから得られた多くの貴重な成果は「骨・関節術後感染予防ガイドライン」に引用されております。また、SSI発生の前向き全国調査「人工膝・股関節置換術および脊椎インストゥルメンテーション手術部位感染の全国調査(Japanese Database of SSI following Instrumentation by JSSBJI;略してJ-DOS)」も学会主導で開始しており、今後JOANR同様に、インプラントを使用した手術をされる先生方には必須の手続きとなる予定です。このような歴史ある学会の学術集会を金沢で主催できることを光栄に思っております。

令和4年、七夕の時期に金沢で皆様にお会いできることを楽しみにしております。