会長挨拶

德橋 泰明

第45回日本脊椎脊髄病学会学術集会
会長 德橋 泰明
日本大学医学部整形外科学系整形外科学分野 主任教授

第45回日本脊椎脊髄病学会学術集会を、平成28年(2016年)4月14日(木)~16日(土)に幕張メッセ国際会議場・国際展示場(ホール8)にて開催させていただくことを、大変光栄に存じております。

今回のテーマは、学術集会の原点である「創造と検証」とさせていただきました。本学術集会は、歴史的に非常に活発な議論の場を提供して新しい知見や新しい治療法を多く世界に送り出し、その進歩についての検証も同時に続けられてきました。この学術集会の原点を改めてかみしめ、本会に臨みたいとの願いを込めさせていただきました。そしてこの第45回大会からも多くの「創造と検証」が世界に発信されることを期待しております。

さて、シンポジウム3セッション、主題12セッションは全て公募としましたが、一般演題を含め過去最大の応募(1,558題)をいただきました。応募していただいた皆様、査読いただきました役員・評議員の皆様には心より御礼申し上げます。そのうち、採択数は会場の都合もあり、残念ながら1,080題(採択率69.32%)とさせていただきました。採用となった演題の内容はいずれもすばらしく、活発な議論を期待しています。今回はポスターセッションをポスター掲示とは別にミニオーラルポスター発表として小会場でのプラズマディスプレイを用いた口演形式のセッションとさせていただきました。ポスター発表の皆様には、ポスターとは別に口演用スライド作成のご負担をおかけしますが、より活発な議論の場にしていただきたく新しい試みとしてご理解ください。

学術講演のうち、特別講演はすぐれた研究者であり、すぐれた臨床医である国分正一先生と加藤義治先生にそれぞれ現在までの業績をふまえて研究に対する感性と着想、そして着手の仕方について脊椎・脊髄外科を目指す後輩にご教授いただく予定です。教育研修講演(ランチョンなどを除く)は全て海外招聘演者による講演とさせていただきました。海外招聘演者は、全国大学若手留学経験者や俊英のご意見を参考に現在活躍中の先生方に御願いしましたが、期待通りの人選ができ、関係者の皆様のご協力に感謝しています。特に成人脊柱変形、脊椎矢状面アライメントの異常とその矯正に関するご講演が多く、世界の成人脊柱変形の現状が俯瞰できるのではと期待しています。

また、実地臨床に役立つ実践的なディベートを3テーマ組みました。そのうち1つは日本脊髄外科学会と一緒に始める脊椎脊髄外科専門医制度にちなんだ日本脊髄外科学会とのコラボレーション企画とさせていただきました。例年、好評な手術手技のビデオセッションは、私の独断と偏見で5人の先生方に至高のテクニックを披露していただく予定です。

そのほか、日本脊椎脊髄病学会ならびに傘下の委員会主導のパネルデイスカッション「慢性腰痛症治療の臨床経済を考える」、そして特別報告として「本邦における脊椎インプラントアーカイヴスの構築について」、「側方アプローチによる腰椎椎体間固定(LLIF):初期導入から2年間における合併症調査の報告」の2題を準備しました。会員の皆様にはぜひご参加いただきたいと存じます。

本学術集会が千葉市幕張で開催されるのは、初めてのことだと存じます。幕張メッセ国際会議場・国際展示場は、スペースに余裕があり、伸び伸びとした環境で脊椎脊髄外科の諸問題をじっくり議論できる場と思っています。また、コーヒーサービスや全員懇親会などにも工夫をこらし、学術集会の合間にお楽しみいただければと存じます。

日本大学医学部整形外科学教室が、伝統ある本学術集会を担当させていただくのは開講以来、初めてのことで非常に名誉なことと感謝しています。つきましては、教室員一同、おもてなしの心をもって思い出に残る学会に出来るよう最大の努力をして参ります。是非大勢の方々にご参加いただき、活発な議論が展開されることを期待します。

Copyright © 第45回日本脊椎脊髄病学会学術集会. All Rights Reserved.