第25回日本がん免疫学会総会 The 25th Annual Meeting of Japanese Association of Cancer Immunology

会長挨拶

第25回日本がん免疫学会総会 会長
和歌山県立医科大学外科学第2講座 教授
山上 裕機

 このたび、第25回日本がん免疫学会総会会長を2021年7月1日(木)~3日(土)、和歌山市におきまして本学会総会を開催させていただきます。
 第25回総会のテーマは、『がんと免疫の萃点を極める』としました。『萃点(すいてん)』とは、和歌山県出身の世界的博物学者である南方熊楠の造語です。『萃』はあつまるの意味であり、『萃点』はさまざまな物ごとの理(ことわり)が通過し、交差する地点を意味します。南方熊楠が記した萃点が南方曼荼羅であり、本総会のモチーフとしました。現在、がんに対する免疫チェックポイント阻害薬は新しい治療法として世界を席巻しております。がん細胞や免疫担当細胞が免疫逃避するべく免疫チェックポイント分子を有するため、免疫チェックポイント阻害薬により免疫抑制シグナル伝達にブレーキをかけることで細胞傷害性T細胞の抑制を解除する戦略は、がん免疫治療の大きなターニングポイントとなりました。また、T細胞活性化を促進するべく免疫賦活を増強しアクセルをかける戦略も現在研究が続いています。いままさに『がん』と『免疫』の萃点が見えてきたといえるでしょう。
 このような背景を受けて本学会総会におきましては、最先端のがん基礎研究ならびにがん免疫治療の基礎・臨床研究を発信し、『がんと免疫の萃点』に迫りたいと考えています。
 7月の和歌山は海・山の幸が豊富な季節です。学会での発表・討議の後は、和歌山の名産を満喫いただけるように医局員あげて準備いたします。ぜひとも多くの先生にご参加賜りますよう宜しくお願い申し上げます。