大会長挨拶

第41回日本アフェレシス学会関西地方会
大会長 鶴屋 和彦
(奈良県立医科大学腎臓内科学)

大会長 鶴屋 和彦

この度、第41回日本アフェレシス学会関西地方会を主催させていただくこととなりました。伝統ある本会を担当させていただき大変光栄に存じますとともに、このような機会を与えて下さいました世話人、幹事の先生方に心より御礼申し上げます。

アフェレシス療法は、肝疾患、腸疾患、腎疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、血液疾患、皮膚疾患、神経疾患、代謝性疾患、内分泌疾患、感染症や中毒など多くの疾患に対して保険適用化され、臨床実地で行われています。その保険適用はさらに拡大されており、2022年の改訂では、「難治性高コレステロール血症に伴う重度尿蛋白を呈する糖尿病性腎症に対するLDLアフェレシス療法」が新たに承認されました。

糖尿病性腎症は、末期腎不全の原疾患の第一位を占め、最近、SGLT2阻害薬やミネラルコルチコイド受容体拮抗薬など新たな治療薬の予後改善効果が示されているとはいえ、根治的な治療法がなく、進行を阻止するのが極めて困難な疾患です。この難病に対してアフェレス療法の有効性が認められ、保険適用されたことは、アフェレシス療法に従事する医療スタッフにとって非常に喜ばしいことであり、糖尿病性腎症重症化予防プログラムが推進されている現状で非常に意義深いことと思われます。

一方、近年、さまざまな疾患の治療において多職種連携の重要性が明らかにされています。アフェレシス療法は、医師、看護師、臨床工学技士、臨床検査技師に加え、アフェレシス関連機材や薬剤の開発にかかわる研究者や企業など多くの職種によって行われる多職種連携の代表的な治療法であり、今後のさらなる発展が期待されます。

以上の状況を踏まえ、今大会は、アフェレシス療法の新たな可能性について議論する場にしたいと考えています。本会が、アフェレシス療法に携わる方々の貴重な議論の機会となり、明日からの診療に少しでも貢献できることとなれば幸いです。多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。

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