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がんの基礎、TR、臨床研究:ブレイクスルーを目指して 会期:2016年10月6日(木)~8日(土) 会場:パシフィコ横浜

会長挨拶

がんの基礎、TR、臨床研究:ブレイクスルーを目指して
Breakthroughs in Cancer Treatment: Collaboration of Basic,
Translational and Clinical Research

「がん研究を通してがんを征圧する」ことが日本癌学会の最も重要なミッションであることは我々の共通の考えであり、最近の癌学会学術集会のテーマとしても取り上げられてきました。一方で、基礎研究を如何にして臨床の場へと導出して行くかががん研究の大きなテーマとなり、「基礎と臨床の連携」が注目され、その結果として近年のがん研究が加速的に発展して来たことは間違いありません。こうした中で、今回の日本癌学会学術総会では革新的な診断・治療法を開発して行くために、ブレイクスルーとも言えるような研究を発展させて行くためにはどうしたら良いか、という観点から企画したいと考えています。

チロシンキナーゼ阻害剤や免疫療法に見られるように近年発達して来た分子標的治療法は、当初はがんとは必ずしも関係していないような基礎研究からスタートしています。数十年の歳月をへて臨床応用が可能となった研究成果も少なくありません。こうした成果を臨床の場へ導出して行くためには、医学、生命科学、薬学など多くの専門家が集まって学際的に研究を進めて行くことが重要であることは言を待ちません。一方で、医学・生命科学以外の異分野の研究成果が新しい治療法や診断機器の開発につながっていることもがん研究の大きな特徴であり、言い古された言葉ではありますが、異分野融合はがん研究の場でも重要な位置を占めています。

こうした観点に加えて今回の学術総会ではがん研究を目指す若手研究者をどのようにしてリクルートし、どのように育成するか、国際化の進んで来た本学会をさらにグローバルに発展させるにはどのようにしたら良いか、考えてみたいと思います。

充実した学術総会を目指し、皆様のご意見を多数お寄せいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

第75回日本癌学会学術総会
学術会長 宮園 浩平
(東京大学大学院医学系研究科 病因・病理学専攻分子病理学分野 教授)