会長挨拶

第27回日本肝胆膵外科学会・学術集会の開催にあたり

第27回日本肝胆膵外科学会・学術集会
会長 金子 弘真

東邦大学医学部外科学講座一般・消化器外科学分野

この度、第27回日本肝胆膵外科学会・学術集会の会長を拝命し、その重責に身が引き締まる思いであります。この歴史と伝統ある学術集会を担当させて頂くことは、東邦大学医学部外科学講座一般・消化器外科学分野にとり、この上なく光栄で名誉なことであり、このような機会を賜りましたこと心より御礼申し上げます。

肝胆膵外科は、高度な技術・経験・知識が要求される専門性の高い外科領域です。日本肝胆膵外科学会が2008年に開始した高度技能専門医制度は、本邦の数ある専門医制度の中でも、特に高難度の手術技能を必要とする肝胆膵外科手術領域において、その高難度技能を評価し認定するという特異な専門医制度であります。その目的は安心・安全な肝胆膵外科手術の普及および高い技能医の育成にあり、肝胆膵外科を目指す若手外科医にとって、目標達成に向けての大きなモチベーションとなっています。今後この専門医制度の更なる普及と育成は、本学会として非常に重要と考えています。

また、本学会の発展のための新展開として、グローバル化すなわち国際化が挙げられます。日本の肝胆膵外科医がより成長していくために、さらには世界各国の肝胆膵外科医の教育、研修に貢献するために、これまで以上に国際化を加速して行く必要があります。

そこで、第27回学術集会のメインテーマは、肝胆膵外科のMissionの全てを継承・飛翔させ、次世代を担う強いPassionを持った若い肝胆膵外科医を育成したいという思いから、『Passion and Mission in HBP Surgery』と、英語表示のみとしました。指導的立場の先生方が若い先生方に、消化器外科のscienceとartに加え外科医の心、楽しさ、やりがいなども継承していき、本学会の伝統である活気に溢れた議論がなされるような学術集会を目指しています。

さらに、既に確立している肝胆膵の手術手技や知識の伝承のみにとどまらず、近年次々と導入された新しい手術法や治療法も、いかに患者さんの予後・QOLの改善に結びつけていけるか国際的視点から議論していたいと考えています。シンポジウムは、海外の演者を含んだ国際シンポジウムをメインとし、国際的共同企画のIHPBA/APHPBA合同シンポジウム、日韓共同プロジェクト会議、日韓台内視鏡外科合同シンポジウムも組み入れています。2017年A-PHPBAの100%英語化に向け、主題・教育セッション全体の60%以上を英語セッションとして進めていく予定です。

学会会場は、東京の新たな名所となったウォーターフロントお台場です。東京湾の海風を感じながら、学術発表の場としてだけでなく、会員の皆様が癒しを感じながら交流していただける場にしたいと考えています。

是非多くの演題を応募して頂くと共に、さらなるご指導、ご支援を賜りますようお願い申しあげます。