第71回日本消化器外科学会総会

プログラム

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English Session =English Session英語セッション:進行・発表すべて英語となります
本マーク English Session のついている該当セッションは、スライドも英語、進行・発表も英語となります。司会・演者は英語でのご発表準備をお進めください。
本マークの無いセッションは、スライドは英語で作成いただきますが、進行・発表は日本語です。

JSGSプログラム JSGS-Program

プログラム名セッションタイトル

JSGSプログラム JSGS-Program

理事長講演 Lecture by Board Chair of JSGS 詳細

日時:7月15日(金曜日) 13:00〜13:20
会場:第1会場
司会:●(●)
演者:●(●)

会長講演 Lecture by 71st JSGS Congress President 詳細

日時:7月15日(金曜日) 13:20〜14:00
会場:第1会場
司会:●(●)
演者:島田 光生 (徳島大学 消化器・移植外科学)

特別講演 Special Lecture

プログラム名セッションタイトル

特別講演 Special Lecture

特別講演1 Special Lecture 1 材料技術が切り開くグリーンライフイノベーション

日時:7月15日(金曜日) 8:50〜9:40
会場:第4会場
司会:●(●)
演者:山田 由佳 (国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

特別講演2 Special Lecture 2 青色LEDの開発と将来の固体発光光源

日時:7月15日(金曜日) 14:10〜15:00
会場:第1会場
司会:●(●)
演者:中村 修二 (カリフォルニア大学 材料物性工学部)

教育セミナー Educational Seminar

プログラム名セッションタイトル

教育セミナー Educational Seminar

教育セミナー1(指定) Educational Seminar 1 膜の発生から考える消化器外科手術 -大腸(直腸に限定)-
教育セミナー2(指定) Educational Seminar 2 膜の発生から考える消化器外科手術 -肝-
教育セミナー3(指定) Educational Seminar 3 膜の発生から考える消化器外科手術 -膵-
教育セミナー4(指定) Educational Seminar 4 Big dataが変える消化器外科学
教育セミナー5(指定) Educational Seminar 5 膜の発生から考える消化器外科手術 -胃-
教育セミナー6(指定) Educational Seminar 6 膜の発生から考える消化器外科手術 -食道-

特別企画 Special Session

プログラム名セッションタイトル

特別企画 Special Session

特別企画1(指定) Special Session 1 新たな専門医制度における消化器外科学会の役割
特別企画2
(公募・一部指定) Special Session 2
詳細 若手内視鏡外科認定取得者が教える認定のためのコツ

大腸癌や胃癌を中心に腹腔鏡下手術が広く浸透しつつある。これからの消化器外科医は、癌の根治性を落とさない、真に低侵襲安全な手術手技を身につけていかなければならない。その為、日本内視鏡外科学会の技術認定は重要なステップであり、多くの若手外科医が目指す関門である。本セッションでは、技術認定医を取得した若手外科医がどのような点に気をつけて認定を勝ち得たかを丁寧に説明して頂きたい。また、技術認定の資格取得者を多く輩出している施設の教育方法も紹介して頂きたい。

特別企画3
(公募・一部指定) Special Session 3
詳細 消化器外科領域におけるNational databaseのこれまでとこれから

National Clinical Database (NCD)は、2011年1月より症例登録が開始され、5年が経過いたしました。これまで我が国の4000以上の施設から500万件におよぶ手術情報が蓄積され、世界に冠たるメガデータベースが構築されつつあります。
これまでNCDは外科専門医制度との連携や手術リスク評価に利活用されてきましたが、さらにNCDを用いた臨床研究の推進や各施設の医療水準向上へのフィードバック、全国癌登録との連携等が期待されています。
しかし、NCDをはじめとする大規模データベースの運用にはいまだ解決すべき問題点もあります。本企画では、NCDや消化器外科領域における全国規模のデータベースの利活用について、現状と問題点、将来展望を示していただきます。

特別企画4
(公募・一部指定) Special Session 4
詳細 医工連携が変える消化器外科 -教育〜再生〜ロボット

消化器外科学のさまざまなbreak throughは、技術革新に裏付けられて成し遂げられてきた。画像技術の進歩により、これまで認識されることのなかった微細解剖が視認され、内視鏡外科手術の質は格段に向上した。術前シミュレーション技術は、消化器外科手術の到達点、安全性を格段に向上させ、ロボット支援手術はこれまで困難であった部位における精緻な操作を可能にした。再生医療は移植医療に新たな光をあてつつある。医工連携においては「医」と「工」が「今何が必要か」「今何ができるのか」を互いに伝え合うことが重要である。本セッションでは、次世代を担う新技術により開拓される新しい可能性、次世代外科医の教育のあり方の変革を各領域の先駆的研究者に語って頂きたい。

特別企画5
(公募・一部指定) Special Session 5
詳細 消化器外科における男女参画プログラム

女性外科医が少ない理由として、外科特有の勤務体系においてワークワイフバランスがとりにくいことが一因と言われ、現在男性医師も含めた外科全体の働き方を見直す動きが高まっている。国策としても「女性の輝く社会」作りが進む中、女性進出が最も遅れている消化器外科領域においてウーマノミクス実現のために何が問題で何が必要なのか。本セッションでは、ポジティブ・アクションの是非、真に公平な業績評価方法、女性自身の意識改革の必要性、男女協働実現など、性別・年齢・役職を問わず幅広い視点から議論して頂くとともに、女性活躍先進国や企業など様々な視点から見た外科領域における問題点と改善策を提示して頂きたい。

特別企画6(指定) Special Session 6 膵・胆管合流異常の問題点と展望
特別企画7
(公募・一部指定) Special Session 7
詳細 漢方エビデンスにつながる臨床・基礎研究

漢方医療は通常医療(西洋医学)の代替医療として発展してきた経緯がある。近年、漢方エビデンスの集積に伴い、漢方医療は通常医療と共に歩む統合医療において重要な役割を果たす日本発の医療として大いに発展する可能性を秘めている。また日本の80%以上の医師が漢方を医療に取り入れている現状も無視できない。こうした背景に基づいて、消化器外科の最新知見として漢方医療のエビデンスにつながる臨床・基礎研究を発表していただきたい。特に前向き試験や薬物動態研究(ADME)だけでなく、漢方薬のメカニズム解明を目指したfrom bench to bedまたはfrom bed to benchによる臨床展開を見据えた基礎研究も歓迎する。

特別企画8(指定) Special Session 8 発展途上国に対する医療支援
特別企画9
(公募・一部指定) Special Session 9
詳細 光エネルギーの医療への展開

ポストゲノム時代のライフサイエンス研究分野において、in vivo 光イメージング・光操作は生体内イベントをリアルタイムに画像化して解析できることと、光機能性分子の操作を行う点で、今後益々重要になることが予想されるテクノロジーである。例えば、発癌や転移過程における癌細胞と周囲微小環境を経時的に解析できるテクノロジーは非常に有用であり、医療の現場では光診断や光治療に繋がる基盤的研究になると思われる。今回の「光エネルギーの医療への展開」は、外科治療にインパクトを与える新しいテクノロジーを包括したテーマであり、各施設における研究内容を幅広く応募して頂き、活発な意見交換ができることを期待する。

特別企画10
(公募・一部指定) Special Session 10
詳細 消化器外科へのリクルート戦略:地方 vs. 都会

消化器外科学会の会員数は1994年に2万人を突破したにも関わらず、2015年9月現在20,531人と伸び悩んでいる。新臨床研修制度の導入により顕著となった外科医不足は消化器外科医不足にも直結しており、近隣に大都市の無い地方における消化器外科医確保は困難を極めている。こうした中、都会のブランド施設を中心に外科医志望者のリクルートに成功している例もみられる。消化器外科医療の発展のためには若手の消化器外科医不足の解消だけでなく、地域偏在対策も施行していく必要がある。その対策としてワークライフバランスや専門医制度も考慮に入れながら、消化器外科へのリクルート戦略の工夫やコツについて発表していただきたい。

教育企画 Educational Program

プログラム名セッションタイトル

教育企画 Educational Program

教育企画1(指定) Educational Program 1 匠の技の継承「大腸」
教育企画2(指定) Educational Program 2 匠の技の継承「肝臓」
教育企画3(指定) Educational Program 3 匠の技の継承「胆道」
教育企画4(指定) Educational Program 4 匠の技の継承「膵臓」
教育企画5(指定) Educational Program 5 匠の技の継承「胃」
教育企画6(指定) Educational Program 6 匠の技の継承「食道」
教育企画7(指定) Educational Program 7 匠の技の継承「移植」

シンポジウム Symposium

プログラム名セッションタイトル

シンポジウム Symposium

―シンポジウム―
シンポジウムはある程度完成され,すでに認められている業績を持つ演者がその業績をさらに発展させたものを示すものであり,したがって,これまでの業績を集約した完成度の高い演題をとりあげるセクションである.その意味ではシンポジストに選ばれることは大変名誉なことである.また,演者は様々な領域の専門家,あるいは違った意見を持った専門家が望ましい.それぞれの演者については個別に質疑・討論を行い,総合討論は行わない.

Symposium 1: English Session シンポジウム1
(公募・一部指定)
詳細 Surgical stress and metabolism -Orthodox & Serendipity- (外科侵襲と代謝のOrthodox & Serendipity)

生体に手術、外傷、感染などの侵襲が加わると、細胞間の多彩な情報伝を介して様々な生体反応が惹起される。これらは侵襲から回復するための防御反応であるが、適切に制御されないとかえって生体に損傷を与えることも知られている。長い医学の歴史のなかで、我々はこの過程の詳細な解明と、如何にしてこの反応を生存に有利な方向へ修飾できるか、神経、内分泌、代謝、栄養、免疫などの様々な視点からの研究を重ねてきている。このような観点から、本シンポジウムではこれまでの外科侵襲学・代謝栄養学研究の問題点を明らかにし、今後10年間を見据えた新たなエビデンスの構築を提案できるような内容の発表をお願いしたい。

Symposium 2: English Session シンポジウム2
(公募・一部指定)
詳細 Innovation of cell transplantation, tissue engineering and artificial organ -Orthodox & Serendipity- (細胞移植・再生医療・人工臓器治療のOrthodox & Serendipity)

遺伝子工学や細胞培養技術の進歩により、先天性疾患や病気、外傷、事故などによって後天的に失われた生体機能の再生が現実のものになりつつある。膵島移植やiPS細胞の分化誘導から組織幹細胞などを用いた臓器再生まで、多くの革新的な技術を集約することで、その臨床応用が期待されている。本シンポジウムでは、外科治療を補完する、あるいは外科治療に代わりうる可能性を秘めた最新の技術開発やトランスレーショナルリサーチを幅広く紹介いただき、今後の飛躍的な発展を目指した議論を行っていただきたい。

Symposium 3: English Session シンポジウム3
(公募・一部指定)
詳細 Tailor-made medicine for refractory solid carcinoma -Orthodox & Serendipity- (治療抵抗性固形癌の克服に向けた個別化医療のOrthodox & Serendipity)

生命科学におけるゲノム研究の貢献には目覚ましいものがある。さらに、悪性腫瘍における分子機構の解明によって開発された分子標的治療の臨床応用にも大きな進歩がみられる。一方で、消化器外科医が治療対象とする固形がんにおいては、その治療効果も十分とは言えない現状がある。今後の課題となるトランスレーショナルな研究においては、これまでとは異なる治療抵抗性メカニズムの解明の視点が求められている。がん幹細胞は、がんの治療抵抗性、再発、転移と深く結びついていると考えられているが、さらに、免疫機構を含めたがん細胞と周囲環境との相互作用においても新たな重要な知見が集積されつつある。本シンポジウムにおいては、がん個別化医療に向けた新しい外科診療の可能性について討論していただきたい。

Symposium 4: English Session シンポジウム4
(公募・一部指定)
詳細 Thoracoscopic surgery for esophageal cancer -Orthodox & Serendipity- (胸腔鏡下食道切除術のOrthodox & Serendipity)

食道癌に対する胸腔鏡下食道切除が国内で開始され20年が経過しました。この間、各種アプローチ法や郭清手技の改善が図られ、長期成績も開胸式と同等以上の結果が示されてきました。しかしながら、手技の困難性や適応、周術期合併症の問題点を含め、施設間格差が大きいのも現状であります。昨年より、JCOG1409において開胸式との比較臨床試験が開始され、この領域における初めてのエビデンスを求めた臨床試験であり結果が期待されるところであります。本シンポジウムでは熟成期を迎えた鏡視下食道切除術の問題点を抽出し、Next 10 yearsにおける新たなエビデンスを求めるべく臨床試験の提案を行っていきたいと思います。

Symposium 5: English Session シンポジウム5
(公募・一部指定)
詳細 Laparoscopic gastrectomy for advanced gastric cancer -Orthodox & Serendipity- (進行胃癌に対する内視鏡下手術のOrthodox & Serendipity)

早期胃癌に対する低侵襲手術として開発された腹腔鏡下胃切除術も25年の歴史を重ねてきた。この間、外科医の研鑽、手術機器の開発、さらには臨床研究の蓄積により、早期胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術は標準化され、若手医師への教育が論じられるまでになった。一方、これまでの経験や教訓を生かし、腹腔鏡下胃切除術の適応を進行胃癌や上部胃癌に拡大している。漿膜浸潤やリンパ節転移を伴う進行胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術を広く定着させるためには、その技術的・腫瘍学的問題点を明らかにし、手術手技の定型化とエビデンスの集積が必要である。本シンポジウムにおいては、進行胃癌に対する腹腔鏡下手術のOrthodoxとSerendipityについてご討論していただきたい。

Symposium 6: English Session シンポジウム6
(公募・一部指定)
詳細 Next stage of metabolic surgery -Orthodox & Serendipity- (Metabolic surgeryのOrthodox & Serendipity)

近年、高度肥満症に行われてきた肥満外科手術は減量成績が良好なだけではなく、2型糖尿病などの肥満関連健康障害が術後早期に改善することが多数報告されている。しかし、metabolic surgeryとしての改善機序については未だ明確となっていない。本邦では、腹腔鏡下スリーブ状胃切除術のみが保険収載されている点から年間の手術件数は300例未満に留まっているが、国内の臨床データの解析により世界へ向けたエビデンスの発信が期待される。本シンポジウムでは、これまでのmetabolic surgeryとしての長期成績から、各施設のエビデンスと今後取り組むべき臨床研究をご提案できるように発表していただきたい。

Symposium 7: English Session シンポジウム7(Video)
(公募・一部指定)
詳細 Recent advancement of laparoscopic surgery for rectal cancer -Orthodox & Serendipity- (腹腔鏡下直腸癌手術のOrthodox & Serendipity)

近年、腹腔鏡の近接視・拡大視効果が活かして下部直腸進行癌に対しても腹腔鏡下手術を適用する施設が増加している。しかし、男性の高度内臓脂肪例や狭骨盤例では術野展開や直腸の剥離授動に難渋することが多い。また、低位前方切除においては、未だ適切な直腸切離と安全な吻合が問題とされている。本セッションでは、放射線化学療法後や困難例に対する低位前方切除の手技の定型化、ピットフォールと対処法に加えて側方郭清の適応や手技の個別化、さらに、ISRやMiles手術などにおける経肛門アプローチ(TAMIS)などの新展開をビデオで示していただき、現状、課題と今後の展望を討論したい。

Symposium 8: English Session シンポジウム8
(公募・一部指定)
詳細 Recent refinement and issue of laparoscopic hepato-biliary-pancreatic surgery -Orthodox & Serendipity- (肝胆膵領域外科治療における鏡視下手術のOrthodox & Serendipity)

腹腔鏡下手術は多くの消化器癌で日常的に行われる手技となってきたが、肝胆膵領域外科治療における適応の分野は限定的である。肝臓外科においては肝部分切除や外側区域切除術が、膵臓外科においては良性腫瘍に対する膵体尾部切除術が定型的に行われるようになっているが、これを越える適応に関しては臨床試験的な位置づけである。本シンポジウムでは本領域鏡視下手術のOrthodox & Serendipityという視点より、現時点で定型化できている術式の適応・方法・成績およびKnock and pitfall、若手継承への教育システム、更なる適応拡大・術式への挑戦、そして保険収載へ向けてなすべきことを安全性と透明性確保の倫理的視点とともに論じていただきたい。

Symposium 9: English Session シンポジウム9
(公募・一部指定)
詳細 Multidisciplinary treatment of pancreatic cancer -Orthodox & Serendipity- (膵癌に対する集学的治療のOrthodox & Serendipity)

膵癌(浸潤性膵管癌)に対する拡大郭清の意義は複数のRCTでほぼ否定されたが、Stage IVaまでの病変は切除を含めた集学的治療で徐々にその成績が向上してきている。術後補助化学療法はGemcitabinの有用性が2つのRCTで示され、続いて国内ではJASPAC 01の結果からS-1がstandardになった。一方、NACRTの有用性が多くのPhase II studyで報告されるようになってきた。NACのPhase III大規模臨床試験も国内外で進んでいる。さらにFOLFIRINOXやGemcitabin+nab-Paclitaxelなど、より強力な化学療法も選択可能になった。本シンポジウムでは膵癌に対する集学的治療の成績、問題点ならびに展望を提示していただきたい。

Symposium 10: English Session シンポジウム10
(公募・一部指定)
詳細 Treatment strategy for inflammatory bowel disease -Orthodox & Serendipity- (炎症性腸疾患治療のOrthodox & Serendipity)

潰瘍性大腸炎、クローン病の治療は分子標的治療などの出現で飛躍的な進歩を遂げたが、効果減弱などでその恩恵に与れない患者も増加している。近年、長期経過例が増加し、発癌症例が急増しているが、そのサーベイランスに苦慮している。手術手技の進歩として腹腔鏡手術、ロボット手術などが導入されつつあるが適応基準などは未解決であり、クローン病腸管吻合部再狭窄を防ぐ吻合法が出現し、吻合法の選択、功罪も議論すべきである。治療目的であるQOL向上の点から内科、外科治療の位置づけを明らかにする必要がある。本シンポジウムではNext10年の問題点を明らかにするとともに、その解決のための新たな臨床試験の提案の可能性を検討して頂きたい。

Symposium 11(Video): English Session シンポジウム11(Video)
(公募・一部指定)
詳細 Recent refinement of surgical procedure for advanced esophageal cancer (進行食道癌に対する外科の新たな挑戦)

食道癌の治療成績は、近年の集学的治療の進歩により向上したが未だ満足のいくものではない。更なる成績向上のためにはdownstagingによる手術適応の拡大を含め、改めて気管・気管支、大動脈などの他臓器合併切除や臓器転移・再発に対する外科手術の意義の見直し、さらに化学放射線療法後の非奏効例や再燃に対する単なる救済の意味を越えた積極的salvage手術の展開など新たな挑戦が求められる。また、進行癌に対する縦隔郭清は胸腔鏡で十分可能か、術後肺炎や反回神経麻痺はゼロにできるか、再建臓器は胃がベストかなど解決すべき課題は多い。進行食道癌に対する外科治療において、次の10年で克服すべき課題に対する斬新な挑戦や術式の改良に関して、若手外科医の教育の観点も含めた発表を期待する。

シンポジウム12(Video)
(公募) Symposium 12(Video)
詳細 胃癌における機能温存手術と機能再建手術 Function-preserving and reconstructive surgery for gastric cancer

消化管の手術術式は拡大手術から機能温存手術、機能再建手術へ開発の中心が変化しつつある。胃癌に行われる噴門側胃切除(PG)、幽門輪温存術式(PPG)、神経温存術式などの機能温存手術やパウチ作成などの機能再建手術は、根治性を損なわず術後のQOLを保つことが必要である。しかし、これら術式は標準手術との予後の比較が臨床試験などで十分に行われておらず、また術後のQOLについても標準術式との差が証明されているとは言い難い。本ビデオシンポジウムでは、エキスパートの立場から胃癌の機能温存術式や機能再建手術の手術映像をご紹介頂き、その適応やKnock & pitfallについても十分に明らかにした上で、今後これら手術が標準的に行われるためにはどのようなデータ集積や臨床試験が必要かを討論して頂きたい。

シンポジウム13(Video)
(公募・一部指定) Symposium 13(Video)
詳細 直腸癌における側方郭清の適応と手技 Indication and advanced technique of lateral lymph nodes dissection for advanced rectal cancer

近年の画像診断の進歩により、局所進行直腸癌の深達度やリンパ節診断能は着実に向上している。一方、治療法においては、放射線化学療法や化学療法などを含めた集学的治療も注目されている。手術では直腸間膜全切除(TME)が重要であることは言うまでもないが、本邦において標準的治療とされている側方郭清術は局所再発の軽減に寄与し、現在は開腹手術、腹腔鏡手術そしてロボット支援下手術で行われている。本ビデオシンポジウムでは、直腸癌における側方郭清の適応を示し、郭清範囲と手順、手技を供覧していただきたい。また、各アプローチ法による利点や問題点、手術成績をもとにして郭清の留意点にも言及していただき、今後の展望を議論したい。

Symposium 14(Video): English Session シンポジウム14(Video)
(公募・一部指定)
詳細 Tips and tricks of safe and less-invasive hepatic lobectomy (安全かつ低侵襲な肝葉切除のための工夫)

肝葉切除は残肝容積が少なくなり、また肝静脈や下大静脈を露出する手技のため、術中出血量の増加や術後合併症と術後死亡率が高くなる危険性がある。実際にNCDの2013年データを見ても外側区域以外の区域以上肝切除では手術関連死亡率は3.7%と高率である。術前シミュレーションに基づく正確な残肝容積の検討と精緻な手術手技、あるいは保険適用外ではあるが腹腔鏡下肝葉切除により、肝葉切除の術後関連死亡率を低下されることは出来るだろうか?安全かつ低侵襲な肝葉切除のための各施設での工夫をビデオで発表頂きたい。

Symposium 15(Video): English Session シンポジウム15(Video)
(公募・一部指定)
詳細 Management of safe and reliable pancreatoduodenectomy (安全確実な膵頭十二指腸切除術の工夫)

近年膵頭十二指腸切除術の安全性は高まっているが、NCDの統計では手術関連死亡率が2.9%と報告され、いまだ安全面で確立した手技には至っていない。さらに膵頭部領域癌の治療成績は決して満足のいくものではなく、常に安全性と根治性の両面を視野に入れた手技の改良が望まれている。特に近年目覚ましい進歩を遂げている低侵襲手術においては安全性の担保が必須となっている。本シンポジウムでは各施設の新たなる工夫をOrthodox & Serendipityにポイントをおいて発表していただき、将来に向け本術式の新たな方向性を示す討議を期待している。

ディベート Debate

プログラム名セッションタイトル

ディベート Debate

ディベート1(指定) Debate 1 肝内胆管癌の治療方針:拡大切除 vs. 縮小切除 Optimal surgical approach for intrahepatic cholangiocarcinoma: Extend surgery vs. Reduction surgery
ディベート2(指定) Debate 2 切除可能進行下部直腸癌に対する内視鏡手術:腹腔鏡 vs. Robot Advanced surgical management for resectable lower advanced rectal cancer: Laparoscopic surgery vs. Robotic surgery
ディベート3(指定) Debate 3 早期直腸癌に対するMITASとTEMと経肛門的切除とESDFeasible approach for early colorectal cancer: MITAS vs. TEM vs. Transanal resection vs. ESD
ディベート4(指定) Debate 4 消化器疾患に対するアプローチ:SILS vs. RPS (needle) Optimal laparoscopic approach for gastrointestinal disease: SILS vs. RPS (Needle)
Debate 5: English Session ディベート5(指定) Feasible approach for hernioplasty: Anterior approach vs. Laparoscopic approach (ヘルニア手術:前方アプローチ vs. 腹腔鏡アプローチ)
ディベート6(指定) Debate 6 Stage III胃癌に対する治療戦略:術前vs.術後化学療法 Treatment strategy for Stage III gastric cancer: Neoadjuvant chemotherapy vs. Adjuvant chemotherapy
ディベート7(指定) Debate 7 食道胃接合部癌に対するアプローチ:経胸 vs. 経腹 The operative procedure for the adenocarcinoma of the gastroesophageal junction: Thoracic approach vs. Abdominal approach

パネルディスカッション Panel Discussion

プログラム名セッションタイトル

パネル
ディスカッション Panel Discussion

―パネルディスカッション―
パネルディスカッションは数人の演者が一つの問題について全員で集中的に討議を戦わせるセクションである.司会者が主導となり総合討論を行い,演者は自己の経験や業績にもとづいて異なる意見を述べあう.演者による一定時間の講演は行わず,聴衆は演者間の討論の中から,今後の診療に取り入れるべきものを得る.したがって,一つの結論にまとまらないこともあるが司会者は一定の方向を示すことが望ましい.

パネルディスカッション1
(公募・一部指定) Panel Discussion 1
詳細 胃切除後の食道再建術式 Optimal reconstruction management for esophagectomy in the gastrectomized cases

胃切除後で胃管が使えない場合の食道再建臓器としては、大腸および小腸が用いられる。これまでは右側結腸(回結腸を含む)が選択されることも多かったが、最近では有茎空腸による再建例も増えてきている。さらに、血流評価や形成外科的技術の進歩により血行再建をこれらの術式に付加することで、より安全で合併症の少ない術式への取り組みが認められる。再建経路に関しては、美容にも配慮し胸壁前経路を回避する術式も行われている。また、残胃の温存を試みる施設もある本パネルディスカッションでは、大腸再建と小腸再建について、適応、術式、血行再建、合併症を含む手術成績、術後の腸管機能、栄養状態などの観点から、データを基に各術式の特徴や問題点を議論していただきたい。

パネルディスカッション2
(公募・一部指定) Panel Discussion 2
詳細 直腸癌局所再発に対する治療戦略 Strategy of treatment for local recurrence of rectal cancer

直腸癌の局所再発に対する治療はいまだに非常に難渋する。局所再発といっても吻合部再発、側方リンパ節再発、仙骨前面や骨盤神経叢再発など、再発の機序、部位、大きさ、さらに隣接臓器との関係によって手術方法の選択は変わり、どこまで拡大手術を行うかは施設により大きく異なる。また術前放射線療法や化学療法をいかに有効に組み合わせて根治性を上げるかについても一定の見解はなく、局所を切除した後の遠隔転移の出現もしばしば問題となる。さらに手術以外の根治治療として陽子線や重粒子線治療も選択肢となってきている。ここでは各施設の成績、経験から、様々な局所再発の実例に対する治療戦略を討論したい。

パネルディスカッション3
(公募・一部指定)Panel Discussion 3:
詳細小型(3cm以下)肝細胞癌に対する治療Treatment strategy for minimal HCC with less than 3cm in diameter

肝細胞癌の治療には癌進行度と併存肝疾患による肝機能低下を考慮する必要がある。このなかで小型(3cm以下)肝細胞癌に対しては肝切除術だけでなく、経皮的治療や経動脈的治療が選択肢となる。また、肝切除術においては腹腔鏡下肝切除が行われている。一方、画像診断法などの進歩によって肝細胞癌の悪性度の評価も治療法選択に用いられるようになった。本パネルディスカッションでは、肝細胞癌の病態や各治療法の特徴から、3cm以下の小型肝細胞癌に対する治療法の選択について方向性を見出したい。

パネルディスカッション4
(公募・一部指定)Panel Discussion 4:
詳細大腸癌肝転移に対する集学的治療 -新たなエビデンスの創出を目指して-Multidisciplinary treatment of liver metastasis from colorectal cancer

大腸癌肝転移に対する新規化学療法や分子標的治療の導入から10年が経過した。切除不能例に対するconversion therapyの重要性が広く認識され、5年生存例を多く経験するようになった。All RAS野生型に対する抗EGFR抗体薬併用化学療法やFOLFOXIRI + 抗VEGF抗体薬の優れた成績が報告されている。肝切除適応拡大のための、門脈塞栓術・Two-stage hepatectomy・ALPPSなども重要な検討課題である。消化器外科医と腫瘍内科医がMultidisciplinary teamとして、今後行っていくべき臨床試験を提案できるパネルデイスカッションを目指したい。

パネルディスカッション5
(公募・一部指定)Panel Discussion 5:
詳細肝胆膵領域における再発癌の治療Multidisciplinary treatment of recurrent hepato-biliary pancreatic cancer

肝胆膵領域の癌に対する治療の中心的役割を担っているのは外科切除であり、近年の化学放射線療法の進歩に伴い術前治療や術後補助療法が積極的に試みられているが、多くの症例で術後再発が認められる現状にある。本領域の再発癌の治療に関しては,いくつかの大規模臨床試験の結果を受け、化学療法や放射線療法を中心に新たな治療体系が提案されているが、その治療成績は未だ十分とは言い難い。また、外科的再切除により長期生存が得られる再発癌症例が存在することも示唆されている。そこで、本セッションでは、各施設で行われている肝胆膵領域の再発癌治療成績向上のための取り組みを発表して頂き,新たな治療戦略の方向性を示す一助としたい。

ワークショップ Workshop

プログラム名セッションタイトル

ワークショップ Workshop

―ワークショップ―
ワークショップは完成した研究成果より,むしろ未完成の進行中の研究をとりあげるセクションである.聴衆との討論の中で助言や今後の方向性が指摘される.斬新な考えや新しい方向などを示すような発表が望ましい.発表内容が多岐にわたることから総合討論は司会者の判断で有無を検討する.

ワークショップ1(公募) Workshop 1 詳細 若手外科医育成のための工夫 Management of young surgeons training

2017年からスタートする新しい外科専門医制度は、診療実績の重視、病院群によるプログラム制の導入を基軸とし、新たに専門医研修を受ける専攻医にとって透明性のある充実した研修制度を目指している。また、外科専門医は、単に手術スキルを修得するだけではなく、患者を全人的に理解した上で、診断、手術適応判断、手術および術前後の管理・処置、合併症対策などに習熟していることが必要であり、幅広い知識と実践能力の養うことが肝要である。このような観点から、大学を中心とした基幹病院群と関連施設群での研修プログラムの構築やドライラボ、ウェットラボを含めた実際のトレーニング方法について論じていただきたい。

ワークショップ2
(公募・一部指定) Workshop 2
詳細 縫合不全ゼロをめざした消化管吻合 Standardization of gastrointestinal anastomosis for ZERO leakage

近年、消化器外科領域におけるテクノロジーの進歩には、各種吻合デバイスの改良とともに、鏡視下手術の普及からロボット手術へと、目をみはるものがある。しかしながら、本邦NCDデータからは、胃全摘術4.4%、低位前方切除術10.2%、食道切除再建術13.3%の縫合不全率が示されており、縫合不全の回避は今なお重要なテーマといえる。これまで、様々なリスク因子は報告されているものの、実際の予防策は限られている。最近では腸管血流評価にも関心が寄せられているが、患者選択、術式、抗菌薬などの周術期ベストプラクティス含め、ブレイクスルーとなりえる方策は得られていない。本ワークショップでは、縫合不全ゼロを目指した各施設の取り組みを集約し、Next 10 yearsの問題を明らかにした上で、この合併症を克服する指針を得たい。

ワークショップ3
(公募・一部指定) Workshop 3
詳細 消化器外科におけるERASの工夫 Recent management of enhanced recovery after surgery

ERASは本邦においてもその概念が浸透しつつあるが、まだ確固たるエビデンスは存在しない。本ワークショップではERASの現状につき報告していただき、現在までにコンセンサスの得られている要素、今後さらなる検討が必要な要素を明確化し、日本国内でコンセンサスが得られるクリニカルパスの創出に向けたディスカッションを行いたい。またそのためには今後どのような臨床試験を組むべきかについても討論したい。ERASにおける鏡視下手術の意義、高齢者への適応やバリアンスへの対応、また漢方療法、サルコペニア、免疫評価、患者満足度に関しても検討したい。上部消化管、下部消化管、肝・胆・膵手術の様々な分野からの応募を期待する。

ワークショップ4
(公募・一部指定) Workshop 4
詳細 消化器外科医に必要なAcute Care Surgery Required practice on acute care surgery for gastroenterological surgeons

Acute Care Surgeryとは外傷外科、救急外科、外科的救命救急医療を一体として取り扱う新たな外科領域の名称である。外傷を取り扱う救急医が減少している今日、Preventable Trauma Death を減少させるためには外科医特に消化器外科医が外傷に関与する必要が求められている。消化器外科医の関与する重症腹部外傷手術は、定時手術と異なるアプローチ、判断、術式、術後管理が求められている。本ワークショップではAcute Care Surgeryに関して、術前・術中・術後管理について現状とNext 10 yearsの問題点を明らかにし、新たな臨床試験を提案できるような議論を期待する。

ワークショップ5(公募) Workshop 5 詳細 消化器外科領域における最新のトランスレーショナルリサーチ Current translational research for digestive surgery

消化器外科領域においては、ゲノム解析やトランスクリプトーム・プロテオーム解析など様々な手法を用いて病態解明や新規治療分子標的の探索が行われ、新たに立案された消化器疾患治療のトランスレーショナルリサーチが数多く実施されている。一方、日本発の創薬や新たな医療技術・機器の発信を目指すためには、斬新なアイデアに基づき、綿密な計画ののもとに、多くのハードルを越えていく必要がある。本セッションでは、我々が直面しているNext 10 yearsの問題点を明らかにし、新たなエビデンス確立のための臨床試験を提案できるような基礎研究あるいは前臨床・早期臨床試験など、基礎から臨床への発展をめざした発表を幅広く募集する。

ワークショップ6
(公募・一部指定) Workshop 6
詳細 消化管癌診療におけるバイオマーカーの役割 Clinical utilities of biomarker for gastrointestinal cancer

CEAやCA19-9などの腫瘍マーカーが、診断ならびに治療モニタリングに有用な血液バイオマーカーとして利用されてきた。近年の分子標的薬剤の導入に伴う治療効果予測因子の実用化を背景として、既存の殺細胞性抗癌剤についても治療効果予測が可能な種々のバイオマーカーが同定されている。本ワークショップでは、すでに保険診療となっている既存のバイオマーカーのみならず前臨床試験レベルの研究も含めて、実際の消化管癌診療におけるバイオマーカーの有用性をご紹介いただきたい。高リスクグループの同定、スクリーニング、病期診断、治療効果予測、フォローアップ、再発診断、予後診断、などにおける実用的な話題を歓迎したい。

ワークショップ7(公募) Workshop 7 詳細 外科における基礎的研究(セレンディピティーを求めて) Basic research on digestive surgery -For discovering serendipity-

多くの科学史に残る発見が、セレンディピティによってなされてきたといっても過言ではありません。消化器外科領域において、診断精度や治療成績を向上には基礎研究が重要な役割を担っています。本ワークショップでは今後の発展により臨床応用されると思われる先端的基礎研究内容を幅広く発表いただき、セレンディピティを求めて、Next 10 yearsの問題を明らかにし、新たな臨床試験(エビデンス)を提案できるよう議論したい。

ワークショップ8(公募) Workshop 8 詳細 消化管外科手術におけるナビゲーションサージェリー Navigation methods for gastrointestinal surgery

消化管に対する外科手術におけるナビゲーションサージェリーはCTやMRIなどの画像診断技術による術前シミュレーションを利用した手術と、sentinel node navigationなどの術中リアルタイムにもたらされる情報を利用した手術がある。また、腹腔鏡下手術では術中の触診や俯瞰的視野を得ることが困難であることから、近年には各種画像処理技術を応用した術前シミュレーションと術中ナビゲーションを組み合わせたimage-guide surgeryが導入されている。今後さらなる改良とともに安全かつ根治性の高い手術を提供する手段として、ナビゲーションサージェリーについて各施設の試みや今後の展望を論じていただきたい。

Workshop 9: English Session ワークショップ9(公募) 詳細 Navigation methods for hepato-biliary-pancreatic surgery (肝胆膵外科手術におけるナビゲーションサージェリー)

肝胆膵領域の外科手術においても、CT、MRI、超音波など様々な画像を用いたナビゲーションサージャリーが導入されつつある。術前のCTデータから高解像度の3D画像を作成して手術シミュレーションに応用することは既に多くの施設で行われており、さらに昨今ではICG蛍光法を用いた肝切除やオープンMRIによる肝局所療法が実用化されつつある。また、臓器に画像を重ね合わせる拡張現実感、術中の臓器変形を考慮した画像処理技術、さらには3Dプリンターなどが臨床応用を目指して研究されている。そこで本ワークショップでは実際の肝胆膵手術に応用されている様々なナビゲーション技術および最新のナビゲーションサージャリー研究について討議したい。

ワークショップ10
(公募・一部指定) Workshop 10
詳細 腹部外科における慢性感染創治療の現況と未来 Current and future aspects for treatments of chronically infected wound in abdominal surgery

腹部外科領域における創感染は今なお日常臨床の困難な課題であり、特に死腔炎を伴う深部や体腔内SSIなどの慢性感染創の治療には難渋することが多い。慢性創感染の評価には免疫状態、合併疾患、創傷の病因など総合的な診断システムが必要とされ、健康面および医療経済的にもエビデンスに基づく治療法の確立が急務である。現在、創感染制御、陰圧閉鎖療法、ドレッシング法、形成外科との協力、消毒や抗菌治療、宿主反応の適正化などが取り組まれている。本ワークショップでは、この領域のエキスパートによる慢性感染創治療の現状を踏まえ、治療効果や利便性、安全性を考慮した、将来の臨床試験につながる新たな治療研究を論じていただきたい。

ワークショップ11
(公募・一部指定) Workshop 11
詳細 食道良性疾患に対する治療戦略 Treatment strategy for benign disease of esophagus

食道良性疾患には胃食道逆流症、食道裂孔ヘルニア、食道アカラシアを含む食道運動障害、食道憩室、食道破裂・食道損傷、食道粘膜下腫瘍、食道静脈瘤など数多くの疾患があります。例えば内科的治療が第一選択として行われる胃食道逆流症や、緊急手術が必要な食道破裂・食道損傷は治療方針が明確ですが、その他の疾患については各施設で様々な考え方があると思います。本ワークショップでは、消化器外科の観点から食道良性疾患に対する手術適応を含めた治療方針、開胸・胸腔鏡下・開腹・腹腔鏡下・管腔内視鏡下などのアプローチ法と術式、治療成績について、斬新な考え方や新しい方向性を示していただきたい。数多くの演題をご応募ください。

ワークショップ12
(公募・一部指定) Workshop 12
詳細 食道癌手術における合併症軽減のための工夫 Techniques for preventing postoperative complication in esophageal surgery

食道癌は悪性度の高い疾患であり他の消化器癌に比べてリンパ節転移頻度は高く、その転移分布は広範囲にわたる。このため食道癌手術では精度の高い広範囲のリンパ節郭清が要求されるが、その結果手術侵襲は大きくなり術後合併症の発生頻度も高くなる。食道癌手術後の3大合併症は肺合併症、縫合不全、反回神経麻痺である。特に縫合不全と反回神経麻痺は手術(術者)に直結した合併症であり、外科医にとって不名誉な結果であるが、術者間格差が依然として大きい。食道癌の根治性を追求しつつこれらの合併症を極力起こさない手術の工夫について方法論や技術面からご発表頂きたい。

ワークショップ13
(公募・一部指定) Workshop 13
詳細 進行胃癌に対する化学療法後大動脈周囲リンパ節郭清の意義 Significance of para-aortic lymph nodes dissection in advanced gastric cancer after chemotherapy

JCOG9501の結果、胃癌に対する予防的大動脈周囲リンパ節廓清の意義は否定された。一方、術前化学療法後に大動脈周囲リンパ節廓清を併施する拡大手術を行うことで良好な予後を得たとの報告もあり、集学的治療の一端としての同手技については今後も知見を重ねて行く必要があると考えられる。現在、種々の化学療法剤・分子標的治療薬の開発やそれらの組み合わせが進歩しつつあるが、現時点における化学療法後の大動脈周囲リンパ節廓清の意義について、また同手技と組み合わせる術前治療の方法について、将来への展望も含めての議論をお願いしたい。

ワークショップ14
(公募・一部指定) Workshop 14
詳細 残胃進行癌に対する外科的治療戦略 Surgical strategy for advanced remnant gastric cancer

近年は、胃癌術後の残胃癌が多数を占めるようになりつつある。良性疾患の術後であれば初発胃癌と同様のリンパ流が保たれている事が多いが、胃癌術後では既に膵上縁リンパ節が郭清されている事が多く、初発胃癌とはリンパ流が異なっている可能性がある。また、手術に際しては癒着の存在により安全に郭清を行うには工夫が必要とされる。残胃進行癌は予後不良であるとの報告もあり、病期分類の考え方やリンパ節廓清については初発胃癌とは異なる戦略が必要となる可能性もある。本ワークショップではこれらの問題を明確にし、解決するための方向性や検証可能な臨床試験デザインなどを提示して頂きたい。

ワークショップ15
(公募・一部指定) Workshop 15
詳細 胃癌腹膜播種の基礎と臨床:新たなエビデンスの創出に向けて Basic science and clinical findings in gastric cancer peritoneal dissemination: Efforts to generate new evidences

胃がん治療は確実に進歩してきた。しかしながら、胃がんの進展・再発形式として腹膜播種が重要で、胃がんの治療成績向上に大きな障壁となっていることは依然として変わっていない。胃がん腹膜播種の局所的および全身的病態の解明と、その理解に基づく診断と治療の確立が急務である。すなわち、胃がん腹膜播種の早期かつ正確な診断、手術の意義、局所的あるいは全身的な周術期化学療法の確立、分子標的治療薬の応用・創出など、これらに資する基礎的および臨床的な研究が求められている。本ワークショップでは、次なる10年の胃がん腹膜播種治療の問題点を明らかにし、その治療戦略として新たなエビデンスの創出に迫る、斬新な研究発表を募集する。

ワークショップ16(公募) Workshop 16 詳細 肛門温存のための下部直腸癌・肛門管癌外科治療 Anus preserving operation for carcinoma of lower rectum or anal canal

近年、括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection: ISR)の普及により、外科的肛門管に及ぶ直腸癌でも肛門温存可能な症例が増加しつつある。しかしこの手術を安全に行うためには、腫瘍の肛門側切離端及び剥離面への癌の遺残を回避して根治性を確保するとともに、術後の排便機能を可能な限り温存することが必要である。そこで本ワークショップでは、根治性、術後排便機能、予後などを含む手術成績を示していただき、ISRの手術適応と、それを決定するための術前診断に焦点を絞り検討したい。この際、術前化学放射線療法がこの術式へ及ぼす影響についても検討していただきたい。なおISRの定義は、経腹経肛門的操作により内肛門括約筋を切除し、肛門吻合を行う術式とする。

ワークショップ17(公募) Workshop 17 詳細 他臓器浸潤を伴う進行大腸癌の治療戦略 Treatment strategy for advanced colorectal cancer with adjacent organ invasion

他臓器浸潤を伴う局所進行大腸癌に対しては、骨盤内臓全摘に代表されるような根治性を追求した積極的な浸潤臓器合併切除が行われてきたが、後遺症によるQOLの低下と周術期合併症が問題である。一方、近年では化学療法の飛躍的進歩に伴い、術前化学療法、術前化学放射線療法などにより外科手術の切除率や根治性を高めるとともに低侵襲化を図る治療法も検討されている。本主題では、拡大手術とその治療成績、合併症減少の工夫、放射線治療や化学療法を組み合わせた集学的治療の有用性と問題点等について、現在進行中の最新の成果をご報告いただき、今後の他臓器浸潤大腸癌治療に関する新しい方向性を提示していただきたい。

ワークショップ18(公募) Workshop 18 詳細 直腸癌に対する術前CRTの功罪 Merit and demerit of preoperative radio- and chemoradiotherapy for rectal cancer

clinical Stage II/III直腸癌への国際的な標準治療は, 術前の化学放射線療法+TME手術+補助化学療法 あるいは 術前に全身化学療法+化学放射線療法+TME 手術であり, 本邦においては、TME+側方リンパ節郭清が行われてきたが、術前に化学放射線療法を行う施設は増加している. 集学的治療は骨盤内の局所再発を半減させるが, 全体としては生存率の改善が見られず, 失禁などの肛門機能不全の増加, 性的な活動低下が報告されている. cT3N0症例の一部は, TME手術単独あるいは術前化学療法+TME手術で骨盤内の再発を低く抑えられる可能性が報告されているが適応基準は確立されていない. 本ワークショップでは, 術前化学放射線療法の効果とともに, 有害事象ならびに将来の個別化治療への展望を発表していただきたい.

Workshop 19: English Session ワークショップ19(公募) 詳細 Multidisciplinary treatment of advanced hepatocellular carcinoma with tumor thrombus (脈管腫瘍栓を伴う肝細胞癌の集学的治療)

「門脈内腫瘍栓」、「下大静脈(右心房)内腫瘍栓」、症例などの高度進行肝癌に対しては、国際的にはソラフェニブの経口投与が標準治療として位置づけられるが、その効果は十分でない。本邦においては、肝切除、動注化学療法、分子標的治療、放射線治療などを包括した集学的治療がその選択肢となるが、その適応は明確でない。本ワークショップでは、脈管腫瘍栓を伴う高度進行肝細胞癌に対する各種治療法の位置づけについて明らかにするとともに、現在施行されている集学的治療の成績に加えて、その適応と限界につき、さらにはそれを打破すべく開発した新治療法につき、腫瘍因子、肝機能因子の両面より論じていただきたい。

Workshop 20: English Session ワークショップ20(公募) 詳細 Preventive management for recurrence after curative treatment of hepatocellular carcinoma (肝癌治療後の再発予防の工夫)

肝細胞癌は、根治的治療後であっても再発率が高い。再発予防法は未だ確立されておらず、信頼性の高い再発危険因子の抽出が急務である。しかし、転移再発と多中心性発癌が混在して再発することが解析を複雑化させている。本ワークショップでは肝切除や肝癌に対する肝移植も含めた様々な治療後に起こってくる再発に対して、初回治療後の適切なサーベーランス、実際に臨床の場で行われている再発予防法や予防を目指した再発の病態に関する研究も含め広く演題を求める。次の10年に解決すべき問題点を明らかにし、新たな臨床試験に結び付くワークショップとしたい。

Workshop 21: English Session ワークショップ21(公募) 詳細 Preventive management for postoperative complications after pancreatectomy (膵切除術後合併症の予防と対策)

膵頭十二指腸切除術や膵体尾部切除術をはじめとする膵切除術は、手術技術ならびに術後管理の向上により、手術関連死率は著しく低下したものの、他の消化器外科手術に比べると術後合併症の頻度は未だ高い。膵切除術後の合併症として、膵液瘻による腹腔内膿瘍や腹腔内出血、胃排泄遅延など、また門脈合併切除を行った症例では、門脈血栓症などが挙げられる。これらの合併症を予防するために、各施設が行っている手術術式や周術期管理の工夫などを発表していただきたい。

Workshop 22: English Session ワークショップ22
(公募・一部指定)
詳細 Liver re-transplantation for graft failure: What are optimal selection criteria? (移植後肝不全に対する再肝移植の適応限界:臓器配分への新たな提言)

肝移植後のグラフト不全は致死的な転帰をたどり、再肝移植しか救命手段はない。これまでは、生体でのセカンドドナーが得られる場合に再肝移植が行われていたが、移植後の成績が初回移植より有意に不良であることが明らかにされている。一方、近年は脳死肝移植での再移植という選択肢も現実的になっており、その緊急性から分配の優先度が高いが、脳死下臓器提供数が不足している現状において他の適応疾患とのバランスが問題視されることもある。本ワークショップでは、再肝移植について至適な(futileとならない)適応条件はなにか、また脳死ドナーの分配をいかにするべきかなどについて議論を深めていただきたい。

Workshop 23: English Session ワークショップ23(公募) 詳細 New insight of pancreas and islet transplantation (膵・膵島移植における新たな知見)

膵・膵島移植は、1型糖尿病の根治療法として臨床応用されている。脳死および生体膵臓移植は成績も良好で、すでに治療法として定着している。しかし、血栓症、拒絶反応、1型糖尿病の再発など、未だ克服すべき課題は多い。また膵島移植は低侵襲の細胞療法であり、心停止・脳死ドナー膵を用いた膵島移植の臨床(先進医療)も開始されている。しかし、未だ良好な長期成績は得られておらず,効率的膵島分離法,免疫抑制法,移植膵島保護などの課題があげられる。またわが国の少ないドナー膵をどのように膵臓、膵島移植に分配するかも大きな課題である。本ワークショップでは、このような課題を解決する新たな試み(臨床試験)の提案をいただきたい。

Workshop 24: English Session ワークショップ24(公募) 詳細 Immunological research for digestive surgery (消化器外科領域における免疫研究)

免疫研究の目指すところは免疫調整機序の解明とその臨床応用である。近年、免疫チェックポイント阻害薬が多くの癌において有効であることが判明し、免疫研究は大きく変化しようとしている。本ワークショップでは、腫瘍免疫・移植免疫のそれぞれで、免疫調節が病態に及ぼす現象を検証し最終的には臨床応用を目指している研究者の参加を幅広く募る。例えば、制御性T細胞による癌の進行や臓器移植後免疫寛容との関連や、がん免疫逃避機構の解明による癌免疫治療や自己免疫疾患などについて様々な視点から議論して研究を深めることで、Next 10 yearsの新たな戦略にたどり着ければ幸甚である。

ワークショップ25 (Video)(公募) Workshop 25(Video) 詳細 消化器癌におけるさらなる低侵襲手術を目指して(SILS・Reduced port surgery・Conventional) Less invasive surgery for gastrointestinal cancers (SILS・Reduced port surgery・Conventional)

低侵襲手術の中でもさらに体壁破壊が少なく整容性を重視した単孔式内視鏡手術を含むReduced port surgeryは次世代の内視鏡手術の一つとして注目され、斬新なアイデアで最先端を追求している分野となっています。本ワークショップ、「消化器癌におけるさらなる低侵襲手術を目指して」では、消化器癌という根治性の確保が最も重要である疾患に対し、Reduced port surgeryという低侵襲性を追求する一方で、技術的に高難度な内視鏡手術の今後の発展のため、適正な適応、安全に行うための手技の確立、新たな器具の開発などの問題点を明らかにしたいと思います。島田光生会長の本学会のテーマは外科の矜持〜Orthodox & Serendipity〜ですが、このワークショップで発表者から低侵襲手術におけるOrthodox を知り Serendipityを感じていただき、会員の皆様の新たなSerendipityを刺激することができれば、と考えます。

ワークショップ26 (Video)(公募・一部指定) Workshop 26(Video) 詳細 下部直腸癌に対する括約筋間切除術(ISR)の手術手技 Surgical technique of intersphincteric resection for lower rectal cancer

肛門管に近接する下部直腸癌に対する術式として、肛門括約筋を一部切除しながら肛門を温存する括約筋間直腸切除術(ISR)が本邦においても広く選択されるようになってきた。ISRの手術手技は性別、骨盤空間の狭さ、腫瘍の大きさなど様々な要因に影響されるものであり、その習熟は決して容易でない。本術式を安全に行い、腫瘍学的根治性を担保しながら、温存できる機能を残すためにはいろいろな手技の工夫やピットフォールがある。本ワークショップでは、それぞれの施設で行っている定型的なISR手術のビデオを提示し、そのコツとピットフォールについて具体的に言及していただきたい。さらに難易度の高い症例に対する対処方法、ロボット手術やTAMISなど様々な視点からISR手術について活発な議論を行いたい。

ワークショップ27 (Video)(公募) Workshop 27(Video) 詳細 内視鏡手術のトラブルシュート Troubleshooting in laparoscopic surgery

内視鏡手術は多くの消化器疾患で低侵襲治療として第一選択の治療法となっている。一方、内視鏡手術における合併症、特に重篤な合併症発生率は同等の開腹手術と異ならない。内視鏡手術では、画像情報のみから解剖を把握するという特性による解剖の誤認や高難度技術の必要性から合併症が起こることが指摘されている。手術ビデオによる検討では、重篤な合併症症例においても当初は小さなトラブルしか起きておらず、その認知や判断、対処を誤ったために大きなトラブルとなっている事も多い。本ワークショップでは、トラブルの効率的認識法やその対処法、さらには術中のトラブルが大きな合併症となることを防ぐ患者管理などにつき論じて頂きたい。

ワークショップ28 (Video)(公募) Workshop 28(Video) 詳細 腹壁ヘルニア修復術の現在と10年後に向けた治療 Refinement of hernioplasty from the current towards next ten years

鼠径部・腹壁ヘルニアに対する腹腔鏡下治療法は増加傾向にあり、現在では鼠径部ヘルニア治療では30%を占める勢いである。一方、日本内視鏡外科学会の2013年アンケート集計では、鼠径部ヘルニアにおける腹腔鏡法の再発率は4〜5%と報告されている。腹腔鏡下ヘルニア修復法は、手術時間は長く、技術の習得に時間を要し、合併症の増加も危惧されている。本ワークショップでは10年後の鼠径部・腹壁ヘルニア治療に向けて、過去の長い歴史を辿りつつ完成の域にある前方切開法と1991年から始まった新しい腹腔鏡法において、「現時点の手術で何が重要か、今後の新たなエビデンスには何が必要か」について必ず各施設の成績を報告し、できる限りシェーマと映像中心のご発表をお願いしたい。

特別発言や演者の都合でEnglish Sessionに変更となる場合がありますので、何卒ご了承ください。

医学生・初期臨床研修医セッション

プログラム名 

医学生・初期臨床研修医セッション 目玉

医学生・初期臨床研修医セッション

本セッションの趣旨は、若手医師(初期臨床研修医)や医学生の発表修練の場とすることです。現在、全国の大学医学部では研究のアーリーエクスポージャーの一環として、研究室配属などの試みが実施されています。このような医学生もしくは初期臨床研修医が学んだ症例、研究成果について積極的に発表・討論を行っていただく機会を与えるとともに、優秀な演題について表彰を行うことにより、さらに消化器外科への興味をもっていただくことを目的に、本総会ではこのセッションを最重要視しています。基礎はもとより臨床研究を含め、結果には至らない中間報告、経験報告でも結構ですので、多くの応募を期待します。本セッションの筆頭演者は日本消化器外科学会の会員でなくても登録が可能です。なお、事前に優秀演題を複数決定し、学会当日に口演もしくはポスター発表をしていただく予定としております。

応募資格

  • 応募時点で医学生もしくは卒業後2年目以内の初期臨床研修医であれば、日本消化器外科学会会員でなくても応募可能です。
  • 1施設からの複数応募は妨げません。(どしどしご応募お願い申し上げます。)

その他、演題登録に関する規定等は演題応募要項をご参照ください。

一般セッション

プログラム名 

一般演題

一般演題(口演・ビデオ)
 
一般演題(ポスター)

本総会では要望演題・企画関連口演を設けず、すべてポスター(ハイブリッドポスター)とさせていただくことといたしました。

:ハイブリッドポスターはアナログスタイル(従来のポスター)とe-ポスターのハイブリッドで、現時点ではe-ポスターをアプリ上で閲覧できるように準備しております。

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