第27回泌尿器科分子・細胞研究会

ご挨拶

本間 之夫 写真
  • 第27回泌尿器科分子・細胞研究会
  • 会長 本間 之夫
  • (日本赤十字社医療センター 院長)

疾病の本態が分子の異常に帰納できるという仮説は、近代医学のCentral Dogmaでしょう。このDogmaは殆どの疾患において正しいと思います。疾患の病態が分かれば分かるほど、その正しさが確認されてきました。泌尿器科の疾患もしかりです。

その一方で、分子や細胞にまで分析を進めても理解できない病態も多く残されています。この闇の部分を少しでも解明しようとするのがこの研究会の主眼で、既に26回の実績を重ねてきました。しかし、この先に広がる未知の部分を想像するに、文字通り先の見えない漆黒の宇宙空間という気がいたします。

そんな感慨をこめて、今回の研究会のテーマを「分子で架ける闇に向かう橋 ー泌尿器科疾患の解明に向けてー」としました。病態の解明が患者さんの治療に結びつくのがわれわれ臨床医の究極の願いであることは言うまでもありません。その一方で、ほんの僅かの進歩であっても、未知の空間に橋を築いて踏み込む興奮が、研究の大きなMotivationになっていることも確かです。研究会では、活発な質問や討論で、その面白さを共有し刺激し合いたいと思っています。また、基礎医学のトップレベルの研究者として、肺癌でのALK阻害剤の開発に多大な貢献をされた東京大学の間野博行先生と、iPS細胞を使用して精子等を誘導する技術を開発した京都大学の斎藤通紀先生を特別講演にお招きし、気持ちをいっそう高めて頂ける機会も設けました。

開催地の東京には先生方は何度も訪れておられるでしょうから、魅力的な観光資源に乏しいかもしれません。その中でも工夫して、会場には東京大学のシンボルである安田講堂をご用意しました。勇壮で気品ある建築物に、明治・大正人の気概を感じて頂ければと思います。若干の気がかりは天候です。2月の初旬は、比較的安定した冬型で晴天が続くはずです。ただ、時に数センチの積雪をみることがあり、北国の人からは笑止ものの交通網の大混乱が起こる危険がないとはいえません。その際には、まれな雪景色を楽しむ機会とご寛容願いたいと思います。

多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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