会長挨拶

2019年9月28日に東京において、第38回日本運動器移植・再生医学研究会を開催させて頂きます。伝統ある本研究会を東京で開催させて頂くことを大変光栄に存じます。

本会のテーマを「近未来における運動器再生医療　-麻痺と疼痛の克服に向けて-」と致しました。超高齢社会を迎えた日本において “ 健康寿命の延伸 ”は最重要課題の一つであり、整形外科的観点から運動器の再生医療は、近未来のわが国の医療おいて重要な役割を担うと期待されています。運動器には骨、筋肉、神経、軟骨・椎間板、腱・靱帯など様々な組織があり、関節軟骨においてはこれまでの基礎研究・橋渡し研究が実を結び、既に臨床応用が開始されています。また、これまで不可能とされてきた脊髄再生に関しても、薬剤や細胞を用いた臨床研究や治験が数多く行われております。日本が世界に発信してきたこれらのシーズが再生医療として社会実装されれば、運動器における麻痺と疼痛の克服につながり、健康寿命延伸が可能になるものと期待されます。

特別講演は慶應義塾大学生理学教室の岡野栄之教授に御願い致しました。中枢神経の再生に関するご講演を御願い致しました。また、スポンサードセミナーとして、広島大学の安達伸生教授に関節軟骨の再生医療、名古屋大学の平田仁教授には末梢神経の再生、千葉大学の大鳥精司教授には、腰痛の克服に向けたこれまでの取り組みに関してお話し頂きます。

運動器における再生医療はここ数年が正念場であると感じております。是非とも、多くの先生方にご参加頂き闊達な意見交換がなされ、次に繫がる実りある研究会にできればと考えております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。