会長挨拶

- 第116回日本病理学会総会
- 会長 金井 弥栄
慶應義塾大学医学部病理学教室 教授
2027年4月15 日 (木)-17日 (土)の3日間の会期をもちまして、第116 回日本病理学会総会を、パシフィコ横浜ノースにおいて開催する運びとなりました。本総会は、『原点回帰: “学際の器”たる病理学の本質を見極める』をテーマと致します。
がん等の諸疾患の患者さんのために、病理医は診断を確定し治療指針となる豊富な情報を提供する役目を負っています。その重要な病理診断は、人工知能による支援を受け、ゲノム情報も融合させるように、まさに変革を遂げつつあります。この変革の時代に、病理学研究者/病理診断医 (pathologists)が活躍の場をさらに拡げるため、“学際の器”たる病理学の原点を改めて強く自覚することが肝要と考え、このテーマを設定致しました。病理学で定義する概念が、疾患研究に従事する全ての生命科学研究者に共通のプラットフォームを提供し、pathologistsがあらゆる学際研究のハブとなり得ることを、“学際の器”と表現しています。Pathologistsは広汎な基礎研究の成果にヒトの体の中でのリアリティーを与えることが可能で、また科学的な基盤に拠ることで病理診断が最も信頼に足る治療指針であり続けると期待されます。
そこで本総会においては、各シンポジウム等で日本病理学会外の研究者にもご登壇いただき、学際的なプログラムとするよう腐心致しました。多方面の基礎研究者・臨床医の先生方にも、対面での活発な討議に加わっていただけると期待します。この機会に、日本病理学会員の先生方には病理学の懐の深さと強みを見直していただき、日本病理学会外の先生方にもpathologistsとの協働の意義を感じていただければ、望外の喜びであります。
ワークショップ・パネルでディスカッション等は、日常の病理診断業務に有益な時宜を得た情報を、効率よく収集していただけるプログラムと致しました。今般の国際化への要請に鑑み、日本人演者も英語での発表を選択できるようにしました。会期中は日本語講演に自動翻訳をつけ、アジア等から多くの参加者をお迎えしたいと考えます。学部学生の研究成果を集めたセッションを設け、初めての学会発表に挑戦しやすい環境を整えます。公開プログラムでは、高校生等に向けpathologistsの仕事の魅力を発信します。
特色あるプログラムにより、是非とも実り多い総会と致したく、多数のご参加をお待ちしております。何卒よろしくお願い致します。