会頭挨拶

第130回日本小児科学会学術集会

会頭 滝田 順子

(京都大学大学院医学研究科発達小児科学)

滝田 順子

~ まもり、すすみ、めぐりあう ~

この度、第130回日本小児科学会学術集会の会頭を拝命いたしました。第130回という記念すべき節目に、子どもたちの未来を支える小児科学の営みを、次の時代へと手渡していく大切な機会をいただきましたことに、深い喜びと責任を感じております。

第130回日本小児科学会学術集会は、2027年4月27日(火)から29日(木)までの3日間、京都国際会館において開催いたします。また今回は、Asian Society for Pediatric Research(ASPR)との合同開催を予定しており、ASPRは4月28日(水)・29日(木)の2日間にわたり開催されます。国内外の小児科医、小児医療にかかわる多職種、研究者が京都に集い、学びと交流を深める貴重な機会となることを願っております。

当教室が日本小児科学会学術集会を担当するのは、1991年以来、実に36年ぶりとなります。この節目の学術集会を、教室員、関連病院の先生方、そして近畿地区の先生方と力を合わせて、大きな喜びと期待を胸に準備を進めております。

本学術集会のテーマは、「まもり、すすみ、めぐりあう」です。私たち小児科医の使命は、子どもの命と健康、そして成長と未来を守ることにあります。同時に、時代の変化と医学の進歩の中で、小児医療もまた絶えず進み続けなければなりません。さらに、子どもたちを支えるためには、医療者同士、世代と世代、地域と地域、診療と研究、国内と世界がめぐり合い、つながり、新たな知力を生み出していくことが必要です。この三つの言葉には、子どもたちの未来を支える小児科学の原点と希望を込めました。

今、小児医療を取り巻く環境は大きく変化しています。少子化の進行、地域医療体制の維持、若手医師の育成、働き方改革への対応、こころの問題や社会的困難を抱える子どもへの支援など、私たちが向き合うべき課題はますます多様化しています。一方で、AIをはじめとする新たな技術の導入や、ゲノム医療・データサイエンスの進歩は、小児医療と小児科学研究にこれまでにない可能性をもたらしています。こうした変化の中で、子どもにとって本当に必要な医療とは何か、未来の小児科医療者をどのように育てていくか、研究をいかに活性化し、社会へと還元していくのかを、皆様とともに深く考え、議論したいと思っております。

開催地である京都は、長い歴史と文化を受け継ぐ一方で、多くの大学や研究機関が集積し、先端科学が息づく学術の町でもあります。伝統とサイエンスが共存するこの京都の地は、小児科学の過去を見つめ、現在を語り、未来を構想する場として、これ以上ない舞台であると考えております。国内外の多彩な英知がここにめぐりあい、参加された皆様の心に深く残る、印象深い学術集会となるよう、鋭意準備を進めてまいります。

子どもたちの健やかな未来のために、今、私たちが何をまもり、何をすすめ、誰とめぐりあうべきか――。その答えを、ともに考え、ともに描く3日間にしたいと思っております。京都で皆様をお迎えできますことを、心より楽しみにしております。

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