会長挨拶
この度、第70回日本糖尿病学会年次学術集会をお世話させて頂くことになりました横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学の寺内康夫です。2027年5月21日(金)から5月23日(日)まで、「東京国際フォーラム」、「JPタワー ホール&カンファレンス」にて開催します。2025年1月から準備を進め、2026年6月、学術集会ホームページをオープン致しました。日本語以外を母国語とされる方のために、英語での案内も充実させました。
私は糖尿病診療の研鑽を積みながら、モデル動物の作製を通じ、遺伝因子や環境因子の相互作用による糖尿病発症・進展の分子機構の解明と治療戦略の開発に注力してきました。横浜市立大学では次世代の糖尿病医や研究者の育成に専心し、日本糖尿病・肥満動物学会理事長として日本の糖尿病基礎研究の発展に努め、さらにCDEJ認定機構理事長、日本糖尿病医療学学会代表理事として、チーム医療、医療者・患者関係の目指すべき姿、糖尿病のある人の心の問題、社会から見た医学と医療の在り方について発信してきました。このような経験から、医療者目線の糖尿病基礎研究・臨床研究に加え、患者・家族や社会の目線で捉える「心ゆたかな暮らし:Well-Being」実現への取り組みが無いと、糖尿病学の未来はないという想いから、『心と身体と社会をつなぐ糖尿病学』をテーマに学術集会を開催致します。この想いを学術集会の紹介ビデオに込めましたので、是非ご覧ください。糖尿病学の将来を担う仲間が一人でも増えることを切望します。
今回の特別講演演者として、Juleen R. Zierath先生 (Karolinska Institutet)、中山健夫先生(京都大学大学院医学研究科教授 健康情報学)、浅井文和様(日本医学ジャーナリスト協会会長)、岡田随象先生(東京大学遺伝統計学)をお招きしました。Zierath先生には今までの研究を振り返り、糖尿病学の進むべき道程についてご講演いただく予定です。中山先生と浅井様には糖尿病学における「市民・患者参画」について、それぞれ研究者・市民の立場からご講演いただきます。岡田先生には「遺伝統計学による疾患病態解明と個別化医療」についてご講演いただきます。
2026年6月時点で確定している会長特別企画を紹介します。『心と身体と社会をつなぐ糖尿病学』の核心に迫る企画として、糖尿病のある人の心・QOLを科学的に正しく捉えるための企画 『ひとりひとりの命と日々の健康の在りようを科学と紡ぐ』を設けました。医師・医療スタッフの研究力アップとその実現は喫緊の課題であり、世界標準の研究力回復に必要なことを海外研究者と一緒に考えます。この他、『糖尿病診療に当たる医師・医療スタッフのプレゼンス―あなたは重用されていますか、軽んじられていますか?―』、『糖尿病診療・研究におけるAIおよびデジタル医療の進歩―あなたは進歩についていけてますか?―』を用意致しました。
ンポジウムの企画に積極的に中堅医師・研究者に関わっていただく予定です。男女の区別もありません。一方で、これまで糖尿病学をリードされてきた多くの先生方には、もちろん私も含めてですが、未来の糖尿病学を担う学生、若手・中堅の医師・研究者と触れ合う機会を設けるため、一般演題(口演・ポスター)の座長をお願いする予定です。ご理解のほど、お願い申し上げます。
患者・家族や社会の目線で捉える「心ゆたかな暮らし:Well-Being」実現のためには、学会・行政・市民・経済界一丸となった取り組みが不可欠です。年次学術集会最終日に、そうした機運を一層醸成させる企画を準備いたします。
今回のテーマである『心と身体と社会をつなぐ糖尿病学』を近い将来実現するために、教室関係者以外の多くの方にもご助言をいただき、皆様の記憶に残る学会を準備致します。緑映える東京丸の内で、多くの先生方・医療スタッフ、企業関係者、一般市民が集い、意見を交わし、仲間を作り、未来を考える学術集会になることを切望します。

- 第70回日本糖尿病学会年次学術集会
- 会長 寺内 康夫
横浜市立大学大学院医学研究科 分子内分泌・糖尿病内科学
