第72回日本泌尿器科学会中部総会 / The 72nd Annual Meeting of Central Section of Japanese Urological Association

会長挨拶

ダミー画像

第72回日本泌尿器科学会 中部総会
会長 原 勲
和歌山県立医科大学泌尿器科学 教授

第72回日本泌尿器科学会中部総会を2022年10月6日(木)から8日(土)の3日間、和歌山で開催させていただきます。

私共の教室が本会を担当させていただくのは1973年、1988年の大川順正先生(第23回、第38回)、2004年の新家俊明先生(第54回)に次いで4回目であります。歴史と伝統ある本会を担当させて頂くことを大変栄誉に存じており、教室員一同、会員の皆様に厚く御礼申し上げます。

この度の学会のメインテーマは「泌尿器科の不易流行 Continuity and Change in Urology」とさせていただきました。泌尿器科学の進歩は著しく、私が泌尿器科に入局した頃には思いもつかなかった多くの診断や治療が日常臨床として根付いています。一方で長年を経ても変わらない普遍的な真実も存在しています。「不易流行」とはいつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものを取り入れていくこととされており、もともとは松尾芭蕉が提唱した俳諧の理念です。泌尿器科の変遷を間近に見てきた人間として、若い先生が当たり前のように思っていることの中にも歴史の中で革新的に取り入れられてきたことと、歴史を経ても変わらぬ真実として根付いていることの双方があることに気付いて欲しいという思いを込めました。このテーマを中心に泌尿器科の各領域での不易流行を考える企画を催す予定です。奇しくも英語では「Continuity and Change」という言葉が、ケンブリッジ大学出版局が発刊する国際的な歴史社会学の学術誌のタイトルにもなっています。洋の東西や学問の領域を問わずこうした言葉が好まれるのは人類がもっている共通の概念に基づくものだと実感させられます。

新型コロナウイルスは私達の生活様式を一変させてしまいました。このご挨拶を執筆している時点では少し落ち着きつつあるように思いますが、今までの経験から今後どのような展開になるかは予断を許さない状況です。一方で新型コロナウイルスについてもいろいろなことがわかってきました。これらの知識を総動員しその時の状況に合わせたベストな環境での学会開催を目指したいと考えています。とは言っても、やはり現地で皆様と顔を合わせながら開催できることを心より祈念しています。和歌山は若干不便なところではありますが、温暖で食べ物も美味しいところです。長期にわたった自粛生活の疲れを少しでも癒していただけるよう精一杯のおもてなしの心で教室員一同、皆様の来和をお待ちしております。

ページトップ