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The 2nd International Symposium on Castleman Disease (ISCD2025)
ご挨拶
  第2回国際キャッスルマン病シンポジウム
会長 川上 純
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
先進予防医学共同専攻 リウマチ・膠原病内科 教授
 
 長崎大学の川上と申します。難病医学研究財団のご支援をいただき、第2回国際キャッスルマン病シンポジウムが開催出来ますことを、まことに光栄に存じます。
 キャッスルマン病はリンパ節に病変を形成しそこに集積する免疫担当細胞の活性化を反映した炎症反応を呈し、その中核を形成する特発性多中心性キャッスルマン病は指定難病です。近年、リンパ節病理組織像のheterogeneityが明らかとなり、そのheterogeneityが臨床徴候やエフェクター細胞/分子のheterogeneityに直結すると想定されていますが、明らかにされていない部分も多く、国際的にも本領域疾患の大きなresearch questionとなっています。難治性疾患政策研究事業 キャッスルマン病、TAFRO症候群、類縁疾患の診療ガイドラインの策定や更なる改良に向けた国際的な総意形成を踏まえた調査研究班は令和5年度からの3年間における研究活動の重要な点に、“国際協調や国際共同研究の推進”と“患者会活動との協働”を掲げており、今回の開催の趣旨に、まさしく合致します。本領域疾患の海外のカウンターパートは米国ペンシルベニア大が拠点の国際キャッスルマン病研究ネットワーク(Castleman Disease Collaborative Network:CDCN)で、2021年に難治性疾患政策研究班が中心となりCDCNと協働し、第1回国際キャッスルマン病シンポジウムをWEBで開催しました。これはキャッスルマン病およびTAFRO症候群をはじめとする関連疾患に関する世界で初めての国際シンポジウムであり、病態、治療、研究、疫学などの最新知見について情報交換を行い、そこでは研究者のみではなく、日本(キャッスルマン病患者会)と海外(CDCN患者会)の患者団体の交流や行政の取り組みもプログラムに織り込まれ、領域疾患の包括的な理解が進みました。しかしながら、キャッスルマン病とTAFRO症候群はheterogeneityが高い故に、その捉え方が国際的にも定まっておらず、本邦と欧米間でも、リンパ節病理組織像や臨床病型の分類などに相違点が存在します。
 難治性疾患政策研究班はAMED統合レジストリを活用したキャッスルマン病・TAFRO症候群における精密医療基盤の構築を目指す実用化研究班[希少難治性疾患の診療に直結するエビデンス創出研究(エビデンス創出)]と協働し、CDCNと年に3-4回、定期的にWEBミーティングを行い、research questionを共有し、情報交換と国際共同研究を軸に、国際的なコンセンサスの醸成に努めています。実際、難病プラットフォームに登録予定の患者さんを含め、全国から400例以上のデータを収集・解析し、CDCNと情報を共有し、お互いのギャップを埋めるべくDiscussionを続け、領域疾患群を分子レベルで識別するプロテオミクスプラットフォームの構築(国際共同研究)にも参加しています。
 そこで今回、厚労政策研究班/AMED実用化研究班およびCDCNを中心に実行委員会を組織し、第2回国際キャッスルマンシンポジウムをCDCNの参加のもとで開催し、キャッスルマン病とTAFRO症候群におけるギャップを整理・解消し、醸成された国際的なコンセンサスに立脚した分類・診断基準や診療ガイドラインの策定に繋げ、世界全ての診療レベルの均てん化を目指し、難病における精密医療の進展に貢献したいと考えております。2025年2月7日-9日の3日間、長崎市の出島メッセ長崎で対面開催(一部WEB)いたしますので、是非、ご参加いただき、本領域疾患のcutting edgeに触れていただきたく存じます。
 
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