29回日本精神科救急学会学術総会 29回日本精神科救急学会学術総会

ご挨拶

大会長挨拶

第29回日本精神科救急学会学術総会 大会長 佐久間 啓
社会医療法人あさかホスピタル 理事長・院長
佐久間 啓

 この度、令和3年(2021年)9月24日(金)~25日(土) 福島県郡山市ビッグパレットふくしまにおいて、第29回日本精神科救急学会学術総会を開催する運びとなり、大会長を務めさせていただくこととなりました。

 今回の大会テーマは、「地域包括ケアにおける精神科救急医療のあり方を考える-医療の質と継続性の視点から-」と致しました。平成16年9月に精神保健福祉対策本部が「精神保健福祉の改革ビジョン」を示し、〝入院医療主体から地域生活を中心としたあり方への転換″を基本方針として打ち出してから、平成28年2月に発出された「これからの精神保健医療福祉の在り方に関する検討会」報告書にある〝精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築″、〝多様な精神疾患等に対応できる医療連携体制の構築″、〝精神病床のさらなる機能分化″の必要性まで、精神科領域における社会的課題はさまざまな施策とともに推移しています。特に地域包括ケアシステムについては、具体的な方策提示と実践が求められています。高齢者対応から始まった「地域包括ケアシステム」の構築は、それぞれの地域の子供から高齢者まですべての住民を対象とする仕組みへと変化しており、住民と医療、福祉、保健、教育などの社会資源が有機的につながり、重層的、多面的に関わることでその人らしい生活の姿が見出されると考えます。

 大会では、「措置入院」「包括ケア」「児童」「心理教育」「オンライン診療」「COVID-19」などをキーワードに据え、シンポジウムを企画したいと準備を進めています。精神科救急においても幅広い視野でこの領域に向き合い、精神科救急の視座を見定めながら取り組んでいく必要があると思っています。

 現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止を前提とした「新しい生活様式」の社会活動や経済活動が始まっているような状況下ではありますが、東日本大震災から10年となる令和3年に、福島県郡山市にお集まりいただき、被災者の避難所にもなりましたビッグパレットふくしまにおいて皆様をお迎えできればと思います。

 福島県は、今大会のポスターにもなりました磐梯山や猪苗代湖、神秘的な五色沼など雄大な自然に恵まれ、また、鶴ヶ城や大内宿など歴史的な建造物、サルバドール・ダリの作品所蔵数が世界第4位の諸橋近代美術館、アール・ブリュット作品展示を行うはじまりの美術館などの文化施設もあります。さらに全国有数のおいしい果物、お米、さらに全国新酒鑑評会での受賞数が7年連続日本一となった福島のお酒もご堪能頂きたいと思います。

 参加される方々にとって本学術総会が記憶に残る有意義な総会となるよう準備を進めてまいりますので、全国から多くの皆様が参加くださるよう心よりお待ちしております。

副大会長挨拶

第29回日本精神科救急学会学術総会 副大会長 星野 修三
福島県精神科病院協会 会長
一般財団法人竹田健康財団 
竹田綜合病院 副院長
星野 修三

 この度、第29回日本精神科救急学会学術総会(福島大会)の副会長を務めさせていただくことになりましたので一言ご挨拶を述べさせていただきます。

 2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の最中、福島県立医科大学医学部神経精神医学講座矢部博興主任教授が大会長を務める第116回日本精神神経学会学術総会が仙台市でWEB開催されました。翌年にあたる2021年、福島県郡山市において、社会医療法人あさかホスピタル 理事長・院長 佐久間 啓 大会長のもと、第29回日本精神科救急学会学術総会という全国学会を開催できることは、東日本大震災10年の節目の年にあたり重要な意味があるものと考えております。その震災・原発事故から10年経ても傷跡は残っている状態ではありますが、全国各地の多くの精神科医療従事者の皆様のご支援をいただき、力を取り戻していることも事実です。この場をお借りして、あらためて感謝申し上げます。 さて、一般社団法人日本精神科救急学会は、我が国の精神科医療の中心的役割を担う極めて重要な学会であると認識しています。この学会のメンバーは、それぞれの地域でリーダーとして活躍し、地域の精神科医療を牽引していると思います。日本の精神科医療は今後大きく変化していくものと考えていますが、この学会が、その変化を主導するものと確信しています。

 2021年9月、福島県郡山市で皆様にお会いできることを楽しみにしています。全国から多くの皆様に参加していただけますよう重ねてお願い申し上げます。