第36回日本女性医学学会学術集会

会長挨拶

第36回日本女性医学学会学術集会 会長
大阪大学大学院医学系研究科
産科学婦人科学教室 教授
木村 正

この度は第36回日本女性医学学会学術集会を2021年11月6日–7日、大阪駅直結のコングレコンベンションセンターにて開催させていただきます。2020年は新型コロナウイルス感染症で始まり、終わったような異例の1年間でありました。これまで歴史上全ての感染症パンデミックが終わらなかったことはありません。2021年秋にはこのコロナ禍が落ち着きを見ていることを期待して、皆様をぜひ大阪の地にお迎えしたいと思います。

テーマは「女性医学:女性の健康の門番」といたしました。門番はちょっと今風にいうと“イケてない”表現ですが、healthcare gate keeperという表現が女性医学にはぴったり当てはまると思っています。女性は思春期に始まり、性成熟期、更年期、老年期と男性にはないエストロゲンの波を乗り越えなければなりません。初経、妊娠、出産、閉経という大波に加えて毎月の性周期という小波が繰り返されます。この数々の波を安全に、安寧に乗り越えてもらうための大事な基本概念の一つがリプロダクティブ・ヘルスです。日本の様々な政策はこれまで必ずしも女性のリプロダクティブ・ヘルスに対して優しくなかったように感じています。日本がこの地球上で輝く国であり続けるためには、国際貢献も必要です。これらの政治や国際貢献、といった観点からの特別講演・招請講演を企画しました。2020年はコロナ禍で思うに任せなかった参加者間のディスカッションをなるべく盛り上げるべく可能であれば現地での一般演題をたくさん受け付けて参りたいと考えています。WEB配信による一方通行の知識(単位)伝達だけでは、これからの若手の先生方の研究意欲・アカデミックマインドの涵養には不十分です。現地での熱い議論を行うことができる環境を感染対策を十分い行いながら準備し、さらに多くの皆さまにご参加いただくためのハイブリッド・ライブWEB配信・オンデマンドWEB配信も準備いたしました。

大阪の秋は遅いので、11月初旬は大阪城公園の紅葉がようやく始まる頃です。大阪は古くから海外への玄関口であり、国の威信を見せるための仁徳天皇陵をはじめとする百舌(もず)古墳群、大阪鎮守の生魂國神社、聖徳太子ゆかりの四天王寺や一生に一つの願いが叶う(?)堀越神社など古い町ならではの見所がたくさんあります。メディアで有名な「粉もん」は子供のおやつでした。ぜひ大阪発祥の割烹などでも大阪の味を楽しんでいただきたいと思います。新型コロナの流行動向は予測困難ですが、参加しやすいWEB配信も活用しつつ、現場で深く議論を行う新しい学術集会のあり方を模索しております。どうか2021年秋の大阪をお楽しみください!