第72回日本透析医学会学術集会・総会

会長挨拶

会長

第72回日本透析医学会学術集会・総会

会長 𦚰野 修
徳島大学大学院医歯薬学研究部 腎臓内科学分野

この度、第72回日本透析医学会学術集会・総会を担当させていただく事になりました。歴史ある大きな学会を主催させていただくことになり、大変光栄に思っております。

学術集会のテーマを「時代を生き抜くたくましい透析医療」としました。皆さまも感じるように透析医療の根本にある透析医学は実践的な側面が強調されますが、その中身を詳らかにすると極めて学際的であります。腎臓病学を基本に、循環器病学、内分泌学、代謝病学といった多くの臨床医学の融合がバックグラウンドにあります。しかも基礎医学である生化学、生理学、免疫学の要素も包含しています。さらに深淵であることに、この学問の特徴である、透析システム、透析膜の分野に入ると流体力学、物性学、電子工学の分野が含まれており、この分野は通常の臨床医学では手の届きにくい医工連携が黎明期からすでに進められています。それだけではなく、透析導入、非導入の問題、透析医療の地域格差は社会学医学的な側面があります。もちろん、これらの体系は看護学、栄養学、薬学の分野およびさまざまな職種、看護師、栄養士、薬剤師、臨床工学士、介護士といった人々にも支えられていることも特徴的です。このような体系は他に類を見ない広がりと深さを持った学際的な体系であり、このことを会員すべての誇りと共通認識にしたいと願っています。

その一方で、学際的であるがゆえに学問の変化に柔軟に対応できてきたことを示してきました。例えば生物統計学の興隆、発展を古くから応用していることや遠隔医療を始めとして医療のICT化に困難なく適応していることなどこの学問の可塑性(レジリエンス)が端的に示されています。いわば時代の変化にしたたかにそしてたくましく適応している学問であります。今後どのように医学やその周りを取り巻く環境が変化しても、その広い引き出しで新たな進路を見出せるポテンシャルを潜在する力強い学問と思います。そうした意味でこれまでの透析医学から新たな透析医学が興隆することがきっとあると信じております。

こうした透析医学の広さ、深み、たくましさ、「時代を生き抜くたくましい透析医療」を皆で確認するとともに、将来の一つの道標となる学術総会にしたいと存じます。

学術集会・総会は私が長く暮らした、東京で開催いたしますが、現職の地方都市である徳島の魅力も出し、様々な企画をご用意して皆様をお待ち申し上げます。皆様と一緒に楽しく、未来への希望に満ちた会を開きたいと存じます。皆様の参加を心待ちにいたしております。