会長挨拶
第37回日本肝胆膵外科学会学術集会
会長 調 憲
群馬大学大学院医学系研究科総合外科学講座
肝胆膵外科分野 教授
この度、第37回日本肝胆膵外科学会学術集会を2025年6月13日(金)-14日(土)に軽井沢プリンスホテル・ウエストにおいて開催させていただくことになりましたこと、この上もなく光栄に存じております。会の開催に際し、ご指導とご支援をいただいてきました会員の皆様に厚く御礼申し上げます。
私は、1986年に九州大学第二外科(消化器・総合外科)入局、永く薫陶をいただいた後、2015年に新設された群馬大学総合外科学講座肝胆膵外科分野に着任いたしました。以降、教室員と共に安全な肝胆膵領域の外科診療を追求して参りました。その取り組みによって私は本学会の安全管理委員会の委員長、副理事長を拝命しました。同時に人材の育成を重要な課題として取り組み、学会のNext Generation Project(若手支援活動)の顧問を拝命し、活動を支援してきました。群馬大学でもこの8年間で6名の本学会の高度技能専門医が誕生しております。このように日本肝胆膵外科学会は我々の歩みを導いていただいた大切な学会と感じております。
日本肝胆膵外科学会は、平成元年に第1回日本肝胆膵外科フォーラムとして発足し、平成5年に日本肝胆膵外科学会に名称変更されました。以降、名誉創立者 高田 忠敬先生、名誉理事長 宮崎 勝先生、前理事長 山本 雅一先生、遠藤 格先生、現理事長 大塚 将之先生とバトンは渡され、確実に発展してきました。先人としての諸先生方ならびに会員の皆様のたゆまぬご努力とご尽力により、いまや日本の高難度肝胆膵外科の手術成績ならびに学術成果は国際的にも極めて高いレベルとなっております。本学会の歩みの中で、群馬大学が主催校としての初めての学術集会開催となり教室員一同、誠心誠意準備を進めてまいります。
今回の学術集会のテーマは”Lead the Next Generation”といたしました。この4月より医師の「働き方改革」が施行されました。従来から難度が高い、長時間に及ぶ手術が多く、術後の合併症発生も少なくない肝胆膵外科においては厳しい労働環境が指摘されてきました。今後は適切かつ持続可能な医師としての働き方を実現しながら、先人が切り開いてこられた肝胆膵外科学を更に発展させ、世界をリードする次世代の肝胆膵外科医の在り方を見出し、支援したいという思いです。
本学会が開催されます軽井沢は明治時代から爽やかな気候の避暑地として多くの方々に愛されてきました。その爽やかで清澄な気候はもちろん、当初は日本に在住する西洋人を対象に開発されてきたことから、西洋的な食文化や教会等の建造物、また落ち着いた雰囲気の別荘群など、観光地としても人気のスポットとなっています。6月の軽井沢は新緑の美しい季節です。ご参加の皆様が多忙な日常から少し離れて軽井沢への来訪が皆様の癒しとなること、あるいはご家族や友人と共に過ごす機会となればこれに勝る喜びはありません。
最後に本学術集会が国内外からの多くの参加者が一堂に会し熱い議論を交わすとともに、親交を深める場になることを願っております。実り多き学術集会となりますよう、教室をあげて準備を進めて参りますので、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。