第50回日本脳卒中の外科学会学術集会

会長挨拶

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第50回日本脳卒中の外科学会学術集会

会長 黒田 敏

富山大学 脳神経外科

このたび、第50回脳卒中の外科学会をお世話させていただくことになった黒田です。大変貴重な役割を果たす機会をお与え下さった学会の諸氏諸兄に心より感謝申し上げます。今回は、本学会の記念すべき第50回であることも念頭に『技、科学と心意気〜50年の歩み』をメインテーマに掲げて開催させていただきます。

昨今、脳卒中の外科の領域でもEBMが浸透しつつありますが、個々の外科医の伎倆によってその結果は大きく左右される点で、内科系のエビデンスとは大きく異なることに注意が必要です。われわれ脳卒中の外科医には常に自らの伎倆の向上に努める責務があります。また、血栓化巨大動脈瘤のように、その稀少性や特殊性から、われわれはEBMでは語り切れない疾患と稀ならず向き合う必要があり、冷静な判断と高度の伎倆を発揮しなければなりません。この視点から『技』を一つめのキーワードとして使用させていただきます。

同時に、われわれは自らの治療結果を冷静に分析して国内外に問うことで、他者の健康的な批判を受けつつ後世の医学・医療に貢献する責務があります。この視点から『科学』を二つめのキーワードとさせていただきます。

さらに、脳卒中の外科の『技』や『科学』はわれわれに宿る無形の『心意気』によって支えられています。われわれが脳卒中の外科医を夢見たあの頃をこの機会に一度振り返って、手術・診療に対する心構えや矜持、そして日常生活における身の処し方について語り合う機会を設けたいと考えています。

最後に、本学術集会は記念すべき第50回を迎えます。本学会の歴史を振り返り、後世への羅針盤を示すための特別企画を設けるとともに、PSC/TSC/CSC、脳卒中治療ガイドライン2021、脳卒中の外科技術認定医・指導医など、わが国の次の50年を占う新たな潮流についてもしっかりと議論したいと考えています。2020年5月現在、COVID-19 crisisが世界中を席巻しており、本学術集会もどのような形での開催となるかは未だ分かりませんが、さまざまな状況に対応できるよう、日本脳卒中学会(北園孝成先生)、スパズムシンポジウム(岩渕 聡先生)とともに入念に準備しております。

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