会長挨拶

「真の個別化医療を求めて」

第24回日本乳癌学会学術総会
会長 岩瀬 拓士
がん研有明病院 乳腺センター 乳腺外科部長

岩瀬 拓士(がん研有明病院 乳腺センター 乳腺外科部長)

このたび、第24回の日本乳癌学会学術総会を「真の個別化医療を求めて」をテーマに東京ビッグサイトにて開催させていただくことになりました。東京で2回続けての学術総会の開催となりますが、会場の広い展示ホールを生かした、これまでの学会形式の殻を破った新しい形の学術総会を提案したいと思っています。

がん研としては1998年の大塚の時代に私の恩師である前任の部長、霞富士雄先生が主宰した第6回学術総会以来の担当となります。2005年にがん研は大きな決断をして大塚から有明に移転しました。移転を機にこの10年で念願の乳腺センターとしての基礎が構築され、原発乳癌を年間1000例以上扱う施設へと成長いたしました。センター内でもより高度な乳癌診療を求めて専門分化し、それらを再び統合して患者さんの診療に生かす作業が日々行われています。今回は外科部門の岩瀬が代表として会長を行いますが、内科、病理、放射線、遺伝子診療部門などがん研の総力を挙げて取り組む所存でおります。

乳癌には個性があり、サブタイプで分類し大きくグループ分けすることで、診療も研究も個別化が図られてきました。また多くの臨床試験結果が明らかにされ、試験の登録条件に合致したグループにはそのままその治療法が適用されているものもあります。試験通りに再現すれば同じ結果が得られるとは思いますが、適切に個別化されたとは言い難いように思います。臨床試験の結果がなぜそうなったのか、患者に何が起こっているのか、考え得るいくつかの病態を丁寧に検討して、真の個別化医療に少しでも近づけたいと願っています。

乳癌に関する学会は外科治療、検診、画像診断、腫瘍内科と多岐にわたって多数存在しますが、これらの関係者が一堂に会する総合的な学会が乳癌学会の学術総会だと考えています。専門性は重要ですが、これらの個別の学会では聞かれないような他部門の専門家からの意見はとても貴重であると考えます。こうした討論の機会を積極的に設け、同時に多岐にわたる参加者の活発なコミュニケーションの場を提供できればと考えています。

個人に起こっている病態もさまざまですが、その個人を取り巻く環境など背景もさまざまです。真の個別化医療が必要であることを認識し、それを達成するための方法を皆さんと一緒に考える機会となれば幸いです。

第24回日本乳癌学会学術総会に奮ってご参加くださいますようお願い申しあげます。

EPSホールディングス株式会社

アストラゼネカ株式会社

シスメックス株式会社

協和発酵キリン株式会社

CoBrCa-Controversies in Breast Cancer

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