―ジェネリック医薬品使用促進による医療への貢献と医療制度の維持発展―
第15回 国際ジェネリック医薬品連盟(International Generic Pharmaceutical Alliance: IGPA)年次総会が、本会のスローガン:「ジェネリック医薬品使用促進による医療への貢献と医療制度の維持発展“Generic Medicines for Better Access and Sustainable Healthcare”」の下に日本で初めて2012年12月4日(火)~6日(木)、京都で開催されます。日本ジェネリック製薬協会(JGA)が開催団体としてその実行、運営を担当致します。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許や再審査期間(海外諸国ではデータ保護期間)の満了後に上市される先発医薬品と有効成分が同じ医薬品で、莫大な研究開発費が不要で有効性・安全性が既知公知であることから、低価格で提供でき、患者さんの自己負担や国の医療費の削減に貢献しています。
IGPAは、以下の3つのジェネリック医薬品協会によって1997年に結成されました。
その後、新たに次の3協会が加盟し、現在、これら6団体が正会員としてIGPAの運営にあたっています。
さらに、オブザーバー会員として、台湾ジェネリック医薬品協会(TGPA)、ヨルダン製薬協会(JAPM)及びブラジルジェネリック医薬品協会(ProGenericos)の3団体が加盟しています。
IGPAは国際的なジェネリック製薬協会の連盟であり、情報交換、薬事、知的財産権、医療制度、医薬品価格等を国際的なレベルで調査研究し、関連する各国や地域の行政当局やWTO、WIPO、WHO、ICH等の国際機関に意見具申を行っています。
IGPAの内部の組織として下記の委員会があります。
IGPAの年次総会は加盟するジェネリック医薬品協会が主催し、世界の異なる場所で開催されてきました。今年は日本ジェネリック製薬協会がIGPA運営の事務局役を担当しており開催場所として京都が選ばれました。年次総会は通常、総会前ワークショップが総会前日に開催され、2日間の本会議が開催されることになっています。
最近の開催地は、南アフリカのケープタウン(2011年)、インドのムンバイ(2010年)、カナダのモントリオール(2009年)スイスのジュネーブ(2008年)となっています。
総会前ワークショップは、ジェネリック医薬品業界にとって、その時々で最も関心の高いテーマ、例えば、薬事、知的財産権、保険医療制度等を取り上げ、実務的・専門的に問題点を提示、論議し、参加者に最新の情報を共有して頂くことを目的としています。
ワークショップには本会議とは別に参加料をお支払頂くことによりどなたでも参加して頂けます。
今回、アジアでIGPA総会が開催されますことから、その地域特性に焦点を合わせた下記2つのワークショップを計画しております。中国、インド、インドネシア、韓国、台湾、日本から当局の専門担当官をお招きし、それぞれの国の許認可薬事、医療・薬価制度等について講演していただく予定です。
アジアの医薬品、ジェネリック医薬品の専門家が一堂に会したワークショップを開催することにより、アジア主要国の最新の医薬品情報に接することができ、ネットワーク拡大にも役立つものと信じております。
総会のプログラムは、大きなテーマごとに7つのセッションに分けて構成されています。各セッションでは、医薬品・ジェネリック医薬品業界を取り巻く今日的課題を踏まえ、(1)ジェネリック医薬品、バイオシミラー医薬品のグローバル市場の動向と将来、(2)M&Aと企業戦略、(3)主要国及び製薬新興国における医薬品の動向、IP問題、(4)生物学的同等性試験及び薬事規制の動向、(5)大手ジェネリック企業のトップによる企業戦略等が重要テーマとして取り上げられており、行政機関、WHO、WTO、WIPO等の世界機関、関係学会、情報産業、証券・投資銀行のアナリスト等の各界の著名先生方にご講演をして頂くことになっております。
また、ネットワーク拡大の機会として、歓迎レセプション、晩さん会(ガラー・ディナー)やブース展示等が設けられています。
総会には、参加登録の上、参加料を支払って頂くことにより、IGPA会員・非会員を問わずどなたでも参加して頂けます。
以上、ご説明してきましたように、2012年第15回 IGPA年次総会は日本で初めて全日程日英同時通訳つきで開催されます。世界における医薬品及びジェネリック医薬品の市場及びその動向を的確に把握する絶好の機会であります。
各国政府は、財政危機の中で医療費抑制政策をとり、保険薬価切り下げ、ジェネリック医薬品の使用促進策をとってきております。そのような潮流の中で、新薬メーカーは、ブロックバスター新薬が特許切れに見舞われる、いわゆる「2010年問題」、パテントクリフ(Patent Cliff)に直面しています。一方、ジェネリック業界では、大手グローバルジェネリック医薬品企業の日本への進出や新薬メーカー、異業種産業のジェネリック医薬品への参入が活発になっており、M&Aや戦略的提携が日常的になりつつあります。さらに、低分子ジェネリック医薬品の大型候補物質の減少やバイオシミラーの開発という大きな課題に直面しています。
このような課題にご関心をお持ちの方には最適なカンファレンスであると確信致します。
悠久千二百年の歴史を有する京都の東山の晩秋紅葉の中、IGPA年次総会に是非ご参加して頂きますようお願い申し上げます。