大会長挨拶
- 日本人類遺伝学会第63回大会
- 大会長 松本 直通
- 横浜市立大学大学院医学研究科遺伝学 教授

このたび、日本人類遺伝学会第63回大会を、2018年10月10日(水)~ 13日(土)の4日間パシフィコ横浜において開催させていただくことになりました。1956年第1回開催以来の伝統ある第63回大会の会長をお引き受け致しますこと、大変光栄に存じます。
副大会長である神奈川県立こども医療センターの黒澤健司部長(遺伝科)と横浜市立大学の伊藤秀一教授(発生成育小児医療学)のお二人とともに、皆様のご期待に応えることができるよう、魅力ある企画・プログラムと円滑な学会運営の実現に向け全力をあげて鋭意準備を進めております。
本学会は遺伝学の基礎研究や遺伝医学の臨床を通して科学の進歩や医療の発展に寄与するとともに、教育や啓発活動を行い、社会に遺伝学の知識の普及を図ることを目的とする学術団体です。
近年、遺伝医学は驚異的に進歩・発展し続けています。特にゲノムDNAを圧倒的なスピードで解析できる解析技術が登場し、新たに原因解明された希少疾患は毎日のように増加しています。またありふれた疾患や体質などに関与するゲノム多様性、個人一人一人の全ゲノム解析(パーソナルゲノム)、母体血のみで可能な新型出生前診断、分子標的治療薬探索の癌ゲノミクス、再生医療のための品質管理など、瞠目すべき成果が次々ともたらされ、医療分野にも多大な影響を及ぼしつつあります。一方で、新型の検査・サービス等を社会的にどのように位置付けて行くのかなど新たな課題が突きつけられています。
このような時代背景のもと、本大会のテーマは「Genomes-solutions to lives」とさせていただきました。「ゲノム情報が健康から疾患までヒト生活の鍵」「ゲノム情報があらゆる生命の鍵」となるという意味をこめました。医療関係者や研究者・学生に留まらず、公開講座などを通じて一般の方々にも参加を呼びかけ、新たな生命科学、医療、健康の叡智を創出する場とするのはもちろんのこと、ゲノム情報を適正かつ有効に社会へと実装化してゆく基礎となる情報を提供する大会を目指したいと考えております。
今後、本ホームページに、大会情報を順次掲載していく予定です。ご参考の上、多数のご参加をいただけますよう心からお待ちしております。