第48回日本人工関節学会 2018年2/23(金)・24(土) 東京国際フォーラム

会長挨拶

第48回日本人工関節学会、会長:高井 信朗(日本医科大学大学院整形外科学 教授)

第48回日本人工関節学会
会長 高井 信朗
日本医科大学大学院整形外科学 教授

第48回日本人工関節学会を2018年2月23日(金)・24日(土)の両日、東京(東京国際フォーラム)で開催いたします。

日本人工関節学会は、その前身である第1回人工関節研究会が1971年に開催されてから半世紀近い時を刻もうとしています。本学会は人工関節の実用化、普及とともに発展し、現在約3000人の会員を擁するまでになりました。国内の年間人工関節置換術症例数もこの10年間で急速に増加し、今では約15万例に到っております。

産業革命以来の技術革新が1960年代に至ってさまざまな問題を人類にもたらしたことを踏まえ、1970年の大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」でした。単に楽観的に未来社会を示すだけでなく、それらの諸問題をどう解決し、調和ある進歩を実現するかというテーマを掲げたものでした。また日本の高度経済成長期に抱えるさまざまな問題について、立ち止まって考える良い機会であったと思います。

そこで本学会のテーマを「人工関節の進歩と調和 (Progress and Harmony)」と致しました。現在の形の人工関節が開発されてから約半世紀、人工関節の進歩は患者さんのADL, QOLを劇的に改善するなど、さまざまな利益をもたらしました。一方で多くの問題があることも明らかになってきました。例えば、膝関節では、正常なキネマティクスを再現するためのインプラントが本当に患者に利益をもたらしたのか否か。深屈曲対応人工膝関節の長期成績はどうなのか。股関節では、脱臼抵抗性を上げることを目的に骨頭径を大きくすることの是非や、摺動面の材質、特に金属対金属にすることで生じた合併症の問題などが喚起されました。これらを踏まえ、単に楽観的に未来を示すだけでなく、それらの諸問題をどう解決し、調和ある進歩を実現するかについて深く考えたいと思います。人工関節が上肢、下肢と多くの部位に適応されている現状を考え、肩、肘、手、股、膝、足のそれぞれについてシンポジウムを組みました。ぜひ、人工関節に関する知識をアップデートしてください。

東京の地で熱い議論がなされることを念願しております。多くの先生方のご参加をお待ち申し上げております。

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