第53回日本人工関節学会

会長挨拶

会長 大谷 卓也
第53回日本人工関節学会
会長大谷 卓也
東京慈恵会医科大学附属第三病院
整形外科

このたび、第53回日本人工関節学会(Japanese Society for Replacement Arthroplasty: JSRA)学術集会を主催させていただくことを大変光栄に存じております。東京慈恵会医科大学整形外科学講座としては1993年の第23回人工関節研究会以来、30年振りの担当となります。

学会テーマと込めた想い

「We’re JSRA カスタマイズして参加,皆で前進」を今回のテーマとしました。本学会と人工関節学に愛着を持ち、チームワーク良く前進していこうという気持ちを込め、JSRAという愛称の浸透も図りました。さらなるこだわりは「カスタマイズして参加」にあります。ウィルスパンデミックはすべての学術活動にブレーキをかけた一方で、 “リモート”という新しい学習法を浸透させました。これを機に、学会に現地参加してこそ有意義に学べるものは何か、リモートはどのように有効活用すべきかを考えてプログラム構成することを試みました。多彩な現地/リモートのプログラムから自分に最適なものをカスタマイズし、実りある学会参加としていただきたいと思います。

本学術集会の特徴と参加のしかた

リモート先行配信:横浜での現地開催は2/17-18の2日間ですが、リモート学会はそれに先行して開始します。学会の構成や全体像、それらに対する考え方を予め理解しておくことで効率良く、そしてカスタマイズして学会に参加することができます。リモートの利点を活用し、予め国内外からの情報収集も行った上で現地学会へ出かけると良いと考えています。
現地での学会参加:現地プログラムには数多くの「参加・体験型プログラム」を企画しました。メインセッションにおいても傍観者とならず、参加し、議論し、またエキスパート達の生の言動から学びましょう。本学会でスポットを当てたのは「グループ学習」です。若手〜中堅の先生方がエキスパート達の理論や技術に直接触れ、あるいは他施設の仲間達と議論し切磋琢磨する、そのような場を多く提供するようにしました。また、人工関節治療に「インプラントの理解」は不可欠です。多くのインプラントを見て、触れて、議論するさまざまな機会を1階展示会場に設けます。Hip/Knee Implant Technologyのセッションも見逃さないで下さい。
オンデマンド学会:人工関節に関するさまざまな知識、情報の収集はリモートでも可能です。現地学会ではグループ学習など体験型プログラムも多く、すべてのメインセッションには参加できないかも知れませんが、聞き逃した発表は学会後に地元に居ながらにして学習することができます。また、従来の学術集会の定番であったポスター発表はオンデマンドのビデオ発表としました。発表をより多くの方々に視聴してもらうこと、そして現地学会場のスペースを有効活用することなどがそのねらいです。

JSRAの活動について

JSRAでは若手人工関節外科医の教育、啓発と研究活動の活性化に大きな力を注いでいます。認定医制度や研究表彰制度の設立、英文雑誌の刊行、手術トレーニングシステムの構築、さまざまなプロジェクト活動・プロジェクト研究の推進といった数多くの改革を急ピッチで進めています。すべての学会員の皆様には、毎年2月のこの一時期、自らの人工関節診療と研究を振り返るとともに、学会会場に集合して各種の企画に参加し、見て、触れて、議論することで、次なる1年への叡知とパワーを蓄えていただきたいと願っています。

2022年5月