ご挨拶

第29回日本耳鼻咽喉科学会専門医講習会の開催にあたって

この度は第29回日本耳鼻咽喉科学会専門医講習会の日程を急遽変更することとなり,多くの会員の先生方にご迷惑をおかけすることとなり,大変申し訳なく心よりお詫び申し上げます。変更後の日程は,平成27年12月23日(水・祝)・24日(木)の2日間,札幌市に於いて北海道・東北ブロックの担当で開催致します。29回の本講習会の歴史において,初の北海道開催となります。

プログラムには昨年同様に、第1会場での一般講演とプレナリーセッション,第2会場でのアドバンスト・コースの講演を設けております。さらに,平成28年度より専門医更新に必須となる講習のうち,医療安全と感染対策の専門医共通講習を,講演・実技講習の開始前と終了後に2会場で各2回ずつ設けました。プレナリーセッションは医事紛争をテーマに取り上げました。医療技術や支援機器の発達に伴い,耳鼻咽喉科領域においても新しい治療手技が開発され,従来とは異なる副損傷や合併症が報告されるようになってきています。また医療を取り巻く社会環境も変遷しており,報告される医事問題例もその内容に大きな変化が見られております。今回は「耳鼻咽喉科領域における医事紛争-傾向と対策-」と題し,最近の医事紛争の傾向,クリニック・病院における医事紛争の実例,そしていかに防ぐかをご討論頂きます。またプレナリーセッションの開始時間を例年と変更し,より多くの会員の先生方にご参加頂けるよう配慮致しました。一般講演は,「専門医制度の大変革―専門医更新と新制度」,「頭頸部癌症例 あなたならどうする?」,「診療所医療における新たな取り組み―近未来の開業医像とは―」,「診療ガイドラインUpdate」の4つのテーマを取り上げました。いずれも若手からベテランの先生まで,耳鼻咽喉科医として知っておきたい最新かつ有用な情報を提供できる内容となっております。アドバンスト・コースでは,「専門医に必要な統計の知識と研究デザイン」,「内視鏡手術の適応と限界」,「知っておきたい関連領域のトピックス」,「感覚器障害における最新の診断・治療」の4つを取り上げました。各領域のエキスパートの先生方に,最新の知見をご講演頂きます。実技講習では例年好評のテーマを中心に,24の講習テーマとしました。人気の高い「補聴器」,「嚥下内視鏡検査とリハビリテーション」,「超音波検査と穿刺吸引細胞診」,「平衡機能検査とめまいのリハビリテーション」は,それぞれ2回ずつ実施致します。また,今回は新たに「舌下免疫療法の実際」を加えました。日常臨床における検査や手術に関して,実用的な手技を学べる内容となっております。

12月の札幌は街路樹がイルミネーションで彩られ,澄んだ空気に光輝く幻想的な美しい町並みとなります。息も白くなる一方,様々な冬の旬の味覚をお楽しみ頂けます。新しい日程におきましても,専門医取得前後の若い先生から,臨床経験豊富なベテランの先生まで,多くの会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。
直近の日程変更のために会員の皆様には大変ご迷惑をおかけすることとなりましたことを,重ねてお詫び申し上げます。

第29回日本耳鼻咽喉科専門医講習会

実行委員長 氷見 徹夫
(札幌医科大学耳鼻咽喉科学講座 教授)

実技講習の当日受付について